SKハイニックスが今年第3四半期、グローバルNAND型フラッシュ市場シェアで日本のキオクシアに追い越された。第4四半期にも景気低迷の持続で需要回復が難しいが、開発完了した現存最高層の238段NAND型フラッシュを通じて今後覇権を握るか注目される。韓国メディア「Wiki Korea」が報じた。(写真:SKハイニックス=聯合ニュース)
原文記事:http://www.wikileaks-kr.org/news/articleView.html?idxno=132807
11月28日、市場調査会社のトレンドフォースによると、SKハイニックスと子会社のソリダイムを合わせた第3四半期のNAND型フラッシュ市場のシェアは18.5%で、前四半期(19.9%)比1.4%ポイント下落した。順位も従来の2位から3位に落ちたが、日本のキオクシアが代わりに2位に上がった。キオクシアの第3四半期の市場シェアは20.6%で、直前四半期(15.6%)比5%も上昇した。
トレンドフォースは、キオクシアが今年初めに発生した物質汚染事故から回復し、2位になったと分析した。また、グローバル景気低迷で家電需要が不振だったが、スマートフォン顧客社に供給が拡大し、ビット出荷量が23.5%増えたと説明した。
トレンドフォースは第4四半期にも年末需要回復が難しく在庫も積もっているとし、第4四半期にNAND型フラッシュ製品価格は前四半期より20~25%下落すると分析した。これを受け、第4四半期のグローバルNAND型フラッシュの売上は、前四半期より20%下落するものと、トレンドフォースは見通した。
暗鬱な見通しにもかかわらず、SKハイニックスは技術競争力を強化し、不況に対処する方針だ。競争力の核心は「積層」だ。電源が入らなくても情報を保存するメモリ半導体であるNAND PLAXは、半導体を何層も積み重ねる積層競争が続いている。
メモリセルを高く積む「積層」は段数が高くなるほど単位面積当り生産性が高くなり、同じチップ面積により多くのデータを保存することができ効率が良くなる。まるでファウンドリ(半導体委託生産)の「nナノ」と言われる超微細工程競争と似ている。
米国企業のマイクロンは今年7月、232段NANDを初めて量産したと明らかにしたが、サムスン電子も今月初めに200段を越える高層NAND型フラッシュ半導体量産を始めたと明らかにした。段数は公開しなかったが、一部では236段に達する現存最高層であるという観測がある。
これに先立ちSKハイニックスは今年8月、これを跳び越える238段NAND開発に成功した。SKハイニックスは当時、238段512Gb(ギガビット)TLC(Triple Level Cell)4D NAND型フラッシュサンプルを顧客に発売したと明らかにした。会社は「2020年12月176段NANDを開発してから1年7ヶ月ぶりに次世代技術開発に成功した」とし「238段NANDは最高層でありながらも世界で最も小さいサイズの製品として実現されたということに意味がある」と付け加えた。
会社によると、238段NANDは以前の世代である176段対比生産性が34%高くなり、データ伝送速度も1秒当たり2.4Gbで50%速くなった。また、チップがデータを読む時に使うエネルギー使用量が21%減り、電力消耗削減を通じてESG成果も出したと自評した。
SKハイニックスの238段NAND量産は来年上半期に予定されている。SKハイニックスを含め多数のメモリ半導体企業が半導体寒波に減産や投資を猶予しているが、会社は遅延なく予定通り来年上半期に量産する方針だ。SKハイニックス関係者は「量産予定時点は来年上半期で変化したことはない」とし「NAND型フラッシュは自社主力製品であるだけに投資は継続するだろう」と明らかにした。
参考記事:SKハイニックス「238段NAND」来年上半期量産へ…業界最高の収益性目標に
参考記事:サムスン電子、世界最高容量1TBの「第8世代VNAND」を量産開始
参考記事:半導体の酷寒期…サムスン電子とSKハイニックスの4Q見通しはさらに暗く