サムスンSDIが天安(チョナン)工場に直径46㎜の円筒形バッテリー生産ラインの構築に入った。46㎜バッテリーはテスラが次世代円筒形規格として採用した製品で、BMWも次世代電気自動車モデルに搭載する予定だ。韓国メディア「Bizchosun」が報じた。
原文記事: https://biz.chosun.com/industry/company/2022/12/05/LLGF74PANBG2VJ4E324PKH5VEU/
5日、バッテリー業界によると、サムスンSDIは最近、天安工場に直径46㎜円筒形バッテリーパイロット生産ラインを構築するための装備を発注した。サムスンSDIは来年第1四半期に生産ラインを構築し、上半期中に試作品を生産する計画だという。本格的な設備増設は2025年から進められる見通しだ。パイロットラインには約300億ウォン(約31億円)が投入されるものと推算される。
46㎜バッテリーは既存の2170(直径21㎜)円筒形バッテリーよりエネルギー容量が5倍、出力が6倍改善された次世代バッテリーだ。サムスンSDIは、多数の完成車メーカーと46㎜バッテリーの供給について議論していることが分かった。現在、テスラは直径46㎜、高さ80㎜の4680バッテリーを主に使用している。サムスンSDIは、複数の完成車メーカーと議論した後、具体的な規格を定める計画だ。
サムスンSDIの46㎜バッテリーはBMWに納品する可能性が高いという見通しが業界から出ている。BMWが最近公開した次世代電気自動車プラットフォーム「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse・ニュークラス)」には直径46㎜に高さが異なる2タイプの円筒形バッテリーが搭載される。ノイエ・クラッセはBMWが2025年から量産する電気自動車に採用する新規プラットフォームだ。角形だけを使用していたBMWが初めて円筒形バッテリーを採用した。
BMWは次世代電気自動車ラインナップのうち、セダンは直径46㎜・高さ95㎜、スポーツ用多目的車(SUV)は直径46㎜・高さ120㎜の円筒形バッテリーをそれぞれ搭載する計画だ。サムスンSDIが多様な高さの46㎜バッテリーを検討しているのもBMWを狙ったものと分析される。量産時点も2025年と同じだ。業界ではサムスンSDIが多様な規格の円筒形バッテリーを開発し、顧客会社のニーズを満たす戦略を駆使していると見ている。
パイロット生産が終われば、円筒形バッテリー生産基地であるマレーシアのセレンバン工場にも生産ラインを構築するものと見られる。サムスンSDIはマレーシアのセレンバン工場に1兆7000億ウォン(約1761億円)を投資し、円筒形バッテリー工場を建設している。円筒形バッテリーは標準化された規格があり大量生産が容易で、生産ラインを他の生産拠点に採用するのに便利だ。
サムスンSDIの関係者は「直径46㎜円筒形電池など次世代プラットフォーム受注活動を持続する予定」と述べた。