ファウンドリ1位の企業である台湾TSMCが米国に大規模な追加投資を決めた中、サムスン電子が米国で先端工程の核心である極紫外線(EVU)関連人材を募集するなど対抗する姿だ。韓国メディア「News1」が報じた。(写真:サムスン電子副会長がASML本社工場を見学している様子=News1)
原文記事:https://www.news1.kr/articles/4892155
テキサス州テーラー市に建設中のファウンドリ新工場の完工を約1年半後に控えた時点で、かつてEUV人材組織を立ち上げ、TSMCとの顧客会社確保競争に攻撃的に取り組もうとするものと分析される。
13日、半導体業界によると、サムスン電子のオースティン法人はEUV露光装備と関連し、さまざまな職務で人材採用を進めている。EUV装備を組み立てて問題が発生した時、これを分析して解決するテクニシャンとエンジニアなどが含まれた。
サムスン電子は該当職務が含まれた露光工程(Photolithography)部署に対して「年中無休(24x7x365)安全および品質を管理するチームを作り顧客会社にソリューションを提供することに重点を置いている」と説明した。職務説明欄では、EUV装備を現在独占生産中のASMLの企業名も何度も言及された。
露光工程とは、光を利用してシリコンウェハーに電子回路を刻む工程を意味する。EUVは露光過程で極紫外線波長光源を使用する技術で、従来の装備より微細な回路を描くことができ、高性能低電力半導体の生産に欠かせない。
ファウンドリ事業でEUV技術は通常5ナノメートル(nm、1nm=10億分の1m)以下の先端工程に採用されるだけに、新規技術人材の採用はテーラー新工場で働くものとみられる。
これに先立ってサムスン電子ファウンドリ事業部は170億ドル(約24兆ウォン、約2兆3384億円)を投資して建設するテーラーファウンドリ工場の工程水準を「5nm以下」と定め、これを今年10月から米国、日本などで開かれた「ファウンドリフォーラム」で公開した経緯がある。
5ナノ工程を中心としたテーラー第1工場の完工予想時点は2024年下半期だ。完工時点より1年半早くEUV関連人材とチームを組織するのは、それだけ先端工程に死活をかけたという意味とも解釈できる。
業界関係者は「完工以前までOJTをはじめとする他の半導体工程理解のための基本的なトレーニングに加え、EUV技術に対する追加的な教育および業務熟練期間が続くのではないかと思う」とし「工場完工時点以前に技術完成度を高めるためのものと見られる」と述べた。
サムスン電子の立場では、米国内の主要顧客企業確保のための先端工程技術力増進と支障のない量産準備がいつにも増して重要な時点でもある。
最近、TSMCが米国で半導体投資規模を当初計画の3倍以上の400億ドル(約52兆ウォン、約5兆5022億円)まで拡大すると明らかにし、世界主要半導体消費企業であるアップル、エヌビディア、AMDなどがTSMCの米国産半導体を購入することに応じ、TSMCとサムスン電子のシェア格差が拡大する恐れがあるという懸念が出ている。
市場調査会社のトレンドフォースによると、今年第3四半期(7~9月)のファウンドリ市場でTSMCのシェアは56.1%、サムスン電子は15.5%を記録した。サムスン電子とTSMC間のシェア格差は、今年第1四半期37.3%p、第2四半期37.0%pに続き、第3四半期40.6%pまで広がった。
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