テレビ市場が低迷している。市場調査会社のオムディアは、第3四半期の累積グローバルテレビ市場規模を723億9000万ドル(約9兆9721億円)と集計した。前年同期比12.7%減少した数値だ。今年の全体出荷量は2億879万4000台で、12年ぶりに最も低調になる見通しだ。新型コロナウイルス感染症のペントアップ(Pentup:報復消費)効果で需要が急増した昨年(2億1353万7000台)と比べると470万台以上減少するものと見られる。韓国メディア「Newsway」が報じた。(写真:インドTV市場見通し。単位は億ドル=Newsway)
原文記事:https://www.newsway.co.kr/news/view?tp=1&ud=2022121516371508119
大体毎年年末はクリスマスと感謝祭、ブラックフライデーなどのイベントでテレビ出荷量の30%以上が集中する。また、今年はカタールW杯まで重なったが、年末効果を享受するのは難しいという反応が支配的だ。業界関係者は「テレビは10年内外に交替周期が到来するが、昨年テレビ販売量が大きく増えたため、今年は需要回復を期待するのは難しいだろう」と伝えた。
しかし、インドだけはテレビ市場が好況だ。市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると、今年第3四半期のインドのスマートテレビ出荷量は1年前と比べて38%増加した。具体的な出荷量は公開しなかったが、第1四半期と第2四半期もそれぞれ33%と74%上昇している。スマートテレビは放送だけでなくインターネット接続も可能で、OTT(オンライン動画サービス)視聴まで可能な製品を意味する。
比重も大きく拡大した。2020年だけでも全体テレビ出荷量のうちスマートテレビの割合は67%にとどまったが、昨年は84%に増えた。続いて今年第1四半期は89%、第2四半期は90%、第3四半期は過去最高の93%まで到達した。サムスン電子はインドでは2位の企業だが、業界1位のシャオミを追い上げている。2020年の両社のシェアの差は7%ポイントだったが、今年第1四半期には1%ポイントにまで縮まった。
インドは世界で2番目に多い14億の人口を持つ国だが、家電製品の普及率は極めて低い。このため、インドはグローバル家電業界が先を争って参入する戦略的要衝地に分類される。実際、KOTRA(大韓貿易投資振興公社)はインドの家電製品市場規模を2018年109億3000万ドル(約1兆5057億円)から2025年210億3800万ドル(約2兆8981億円)まで約2倍に増えるものと予想した。
テレビ市場も急激に成長するものとみられる。インドの市場調査会社のネットスクライブ(Netscribes)によると、昨年インドのテレビ市場規模は130億8000万ドル(約1兆8018億円)にとどまったが、年平均8.54%ずつ成長し、2027年には207億ドル(約2兆8515億円)規模まで成長するものとみられる。企業ごとにシェア格差が大きくないだけに、サムスン電子をはじめ、シャオミ、LG電子などがしのぎを削るものと予想される。
インドは32~42インチディスプレイが全体出荷量の約半分を占めるほど小型テレビの比重が高い。所得が高くないため、低価格製品である小さなサイズを好むのだ。これに対しサムスン電子は1億ウォン(約1045億円)を超えるマイクロLEDテレビも販売しているが、インドでは主に低価格型製品を披露している。現在販売中の43インチ以下のテレビのうち、5万ルピー(約79万ウォン、約8万3千円)を超える製品は1台に過ぎない。
また、サムスン電子はスマートテレビサービスの一つであるサムスンテレビプラスを2015年に発売して以来、昨年3月にはインドにまでサービス領域を拡大した。サムスンテレビプラスが採用されれば、ドラマやスポーツ、芸能、ゲームなどのコンテンツを無料で利用できる。最近はインド最大のメディア消費動向分析会社として知られているスタートアップZAPRを買収し、インド市場に力を入れている。
仁荷(インハ)大学消費者学科のイ・ウンヒ教授は「インドは国民所得水準が家電を購入するほど上がっていないようだ」とし「家電業界は欧州と北米消費者に接近する方式よりその国の所得水準に合わせた戦略的接近が功を奏することができる」と述べた。続けて「毎月使用料を納付する方式であるリース制度導入も考慮できる要素」と付け加えた。
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