サムスン電子は昨年下半期、「半導体寒波」やスマートフォン市場の低迷などの影響で業績不振を記録した。この寒波は今年上半期まで続くだろうという見方が支配的だ。この中で「一人で成長」を繰り返す事業がある。フォルダブルスマートフォンがその主人公だ。会社側は「歯(半導体)の代わりに歯茎(フォルダブルフォン)」で今年一年を積極的に対応するという戦略だ。韓国メディア「グローバル経済新聞」が報じた。(写真:サムスン電子)
原文記事:https://www.getnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=611453
2日、市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると、昨年、全世界のスマートフォン市場は12億4000万台規模になる見通しだ。昨年同期比10.9%減少した数値だ。
業界は全世界のスマートフォン市場の低迷が長期化するものと分析した。ロシア-ウクライナ戦争とインフレによる消費心理の萎縮、原材料価格の上昇などの影響だ。
ただ、フォルダブルフォンは例外だ。カウンターポイントリサーチによると、今年第3四半期の全世界のフォルダブルスマートフォン出荷量は608万台と調査された。昨年同期(373万台)に比べて約63%増加した数値だ。スマートフォン市場全体でフォルダブルスマートフォンのシェアも初めて2%を超えた。
2022年1~3四半期のフォルダブルスマートフォン累積出荷量は2021年同期比90%増加した950万台を記録した。カウンターポイントリサーチのタルン・パタク理事は「1000ドル(約13万円)以上のプレミアムスマートフォン市場でフォルダブルフォンが位置している」と述べた。
カウンターポイントリサーチはサムスン電子が昨年8月に出したGalaxy Z Fold4出荷量が60%増えたうえに、中国でフォールド型スマートフォンの出荷量が増加したことに伴うものと分析した。中国のフォルダブルスマートフォン市場でフォールド型の割合は、世界平均(43%)より高い63%だ。
サムスン電子がリードするフォルダブルフォン市場は最近、米国と中国企業の厳しい攻勢を受けている。ただし、このような攻勢はサムスン電子の立場でむしろ「得」になりうる。ライバル会社が引き続き市場に参入すれば、競争が激しくなるだろうが、市場拡大に肯定的な影響を及ぼしかねないということだ。
実際、中国企業が続々と競争に加わり、全世界のフォルダブルフォン市場規模も成長している。今年初め、市場調査会社のオムディア報告書によると、昨年の世界フォルダブルスマートフォン出荷量は900万台で、前年比309%増加した。今年は1400万台、2026年には6100万台に増え、フォルダブルフォンが全体スマートフォン市場の3.6%を占めるものと予想した。
また、別の市場調査会社のカナリスが年明けに調査した2024年のフォルダブルフォン出荷量は、2019年から年平均122%ずつ成長し、3000万台まで拡大するものと予想される。カナリスは「消費者はモバイル機器でより良い経験を探している」とし「大型画面で生産性とエンターテインメント経験に対する基準がはるかに高くなった」と伝えた。
一方、中国企業の中でオッポは最近「ファインドN2」を発売した。この製品はアプリケーションプロセッサ(AP)で、Galaxy Z Fold4のようなスナップドラゴン8+第1世代を使用した。また、Galaxy Z Fold4より30g軽い重さを強みとして掲げた。
アーナーも今年、フォルダブルフォンを新たに追加した。アーナーの「マジックVs」はZ Fold4より1.3㎜薄いが、緩衝時間は46分でZ Fold4より短い。VIVOは昨年9月に「Xフォールドプラス」を発売している。
グーグルは今年5月、例年開発者イベントである「グーグルI/O(インプット/アウトプット)」で「ピクセルフォールド」を披露するものと予測される。
サムモバイルなどの外信によると、この製品は大画面内部ディスプレイに外部ディスプレイを抱いた。また、5.79インチ外部ディスプレイ中央にパンチホール(カメラ穴)がある。内部ディスプレイは7.69インチだ。機器の大きさは画面を広げた時158.7×139.7×5.7㎜で、Galaxy Z Fold4(155.1×130.1×6.3㎜)より大きさは多少大きいが厚さは薄い。ピクセルフォールドカメラモジュールの厚さは8.3㎜だ。サムスンのUTG(超薄膜強化ガラス)が採用されたOLEDパネルを搭載した。
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