サムスン電子の半導体戦略の行方に注目が集まっている。持続する価格下落によるメモリ半導体の収益性悪化が、予想を超える昨年第4四半期の業績不振につながったためだ。このような中、投資業界ではサムスン電子のメモリ減産の可能性が一つの大勢論として広がり始めた。韓国メディア「エコノミックレビュー」が報じた。(写真:欧州のIMEC研究所を訪問するサムスン電子イ会長=サムスン電子)
原文記事:https://www.econovill.com/news/articleView.html?idxno=599888
今月6日、サムスン電子は連結基準売上70兆ウォン(約7兆4455億円)、営業利益4兆3000億ウォン(約4574億円)を記録した2022年第4四半期暫定業績を発表した。直前四半期の2022年第3四半期対比で売上は8.83%、営業利益は60.37%減少し、2021年第4四半期対比で売上は8.58%、営業利益は69%減少した。
暫定業績は四半期業績が決算されていない状態で発表される業績だ。そのため、サムスン電子が確定業績を公式に発表する前に言及される業績改善や不振の原因はあくまで推定だ。それでも投資業界がサムスン電子第4四半期の営業利益不振の原因を半導体と確信するのには理由がある。まさに半導体事業部門の業績がサムスン電子全体営業利益の行方に非常に大きな影響を及ぼすためだ。
2022年第3四半期のサムスン電子全体の営業利益は10兆8500億ウォン(約1兆1541億円)で、2021年第3四半期の15兆8200億ウォン(約1兆6827億円)に比べて4兆9700億ウォン(約5286億円)減少した数値を記録した。このうち半導体事業部門1ヵ所だけで記録した営業利益減少分が4兆9500億ウォン(約5265億円)だった。この期間はサムスン電子半導体事業の全体売上のうち約60%以上の比重を占めるメモリ半導体の価格下落が本格的に進行した時だった。2022年第4四半期の営業業績不振もやはりこのような脈絡だというのが投資業界の分析だ。
メモリ半導体価格の下落傾向は、今年上半期またはその後も続く見通しだ。市場調査会社DRAMエクスチェンジの調査によると、昨年第4四半期のパソコン用DRAMの固定取引価格は、直前四半期比だけで約22.46%下落した。DRAMエクスチェンジは「2023年にもメモリ半導体の取引価格は昨年第4四半期基準で最大15%まで下落するだろう」という予測を付け加えた。このような流れに対して投資業界ではサムスン電子の現行メモリ半導体戦略が修正されるだろうという見通しに重きが置かれている。
シンヨン証券のソ・スンヨン研究員はサムスン電子リポートで「同社(サムスン電子)を除いたメモリ製造メーカー各社の供給調節が本格的に施行されているにもかかわらず、業界先頭メーカーである同社の供給調節不在は不振な業績を考慮すれば非常に残念な部分」と意見を明らかにした。
ダオル投資証券のキム・ヤンジェ研究員は「サムスン電子が既存の半導体生産計画を維持するならば業況の反騰時点は2024年以後に延ばされるだろう」とし「このままならば2023年第1四半期にはサムスン電子DS部門が14年ぶりに赤字転換する可能性が高い」と見通した。
大信(テシン)証券のウィ・ミンボク研究員は「今年第1四半期からはサムスン電子半導体事業部門全体の営業赤字が発生すると予想される」とし「これを考慮すれば、今年下半期からはサムスン電子もやはりメモリ半導体供給調節に参加するだろう」と意見を明らかにした。
サムスン電子の基本的な立場は「人為的な半導体減産はない」ということだが、戦略修正の可能性が全くなくはない。
昨年、サムスン電子のキョン・ゲヒョンDS部門長は公式席上で「短期的市場の変動に急いで従う決断はないだろうが、業況の変動は常に鋭意注視している」とし「長期的な成長を前提する観点からも最も合理的な選択をするだろう」と述べた。
サムスン電子の2022年統合確定業績発表およびカンファレンスコールは今月31日に予定されている。この場では半導体事業計画に対するサムスン電子の公式意見が必ず出ることになる。投資業界の大勢世論が反映された修正戦略が出るか、サムスン電子が守ってきた所信が維持されるかについて、産業界と投資業界の耳目が集中している。
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