韓国科学技術院(KAIST、総長イ・グァンヒョン)はチョン・サンフン電気および電子工学部教授チームが「負の静電容量効果(NC効果)」を活用して既存物理性能限界を跳び越える「負の静電容量(NC)フラッシュメモリ」を世界で初めて開発したと18日明らかにした。韓国メディア「電子新聞」が報じた。
原文記事: https://www.etnews.com/20230118000112
現在、電子素子が小型化され、垂直積層が普遍化し、蓄電器(キャパシタ)に保存される電荷量が減少する問題が生じる。高い静電容量を持つ誘電体物質が要求される。ここに静電容量が負の値を持つ蓄電器を活用すれば、全体静電容量をむしろ増加させることができるという仮説が提案された状態だ。
NC効果は印加する電圧が増加すれば電荷量が減少することを意味する。NC特性を持つ誘電体を使用する時、トランジスタに印加される電圧を増幅して相対的に低い動作電圧を使用することができる。電力消耗を減らして電子素子物理性能限界を克服できる。
研究チームは、ハフニウムオキサイド(HfO2)強誘電体薄膜のNC効果を安定化し、低電圧駆動が可能なNCフラッシュメモリを世界で初めて開発した。従来のフラッシュメモリ対比電力消耗が1万分の1以下に低い。
研究チームはインメモリコンピューティング(データをストレージではなくメモリに移して活用するコンピューティング)をNCフラッシュメモリを基盤に実現し、世界最高水準のエネルギー効率も達成した。
研究チームは今回の研究結果が次世代NAND型フラッシュメモリ開発に核心的な役割を果たすものと予想している。
一方、今回の研究は延世(ヨンセ)大学とコラボして行われ、韓国研究財団知能型半導体技術開発事業の支援を受けて行われた。KAISTのキム・テホ電気および電子工学部のキム・ギウク博士課程が共同第1著者として参加した。研究は著名な国際学術誌「アドバンスドファンショナルマテリアルズ」2022年12月号に掲載された。
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