SKハイニックス、世界最速モバイル向けDRAM「LPDDR5T」を発売

SKハイニックスが現存最高速モバイル向けDRAM「LPDDR5T(Low Power Double Data Rate 5 Turbo)」を開発し顧客会社にサンプルを提供したと25日明らかにした。韓国メディア「INVEN」が報じた。(写真:SKハイニックスのDRAM「LPDDR5T」)
原文記事:https://www.inven.co.kr/webzine/news/?news=281029

LPDDR5TはSKハイニックスが昨年11月に公開したモバイルDRAM LPDDR5X*の性能をアップグレードした製品だ。会社は今回の新製品の動作速度をLPDDR5X比13%速くなった9.6Gbps(1秒当たり9.6ギガビット)まで高めた。このように最高速度を実現したという点を浮き彫りにするため、会社は規格名であるLPDDR5の後ろに「ターボ(Turbo)」を付けて製品名を独自命名した。

また、LPDDR5Tは国際半導体標準化機構(JEDEC)が定めた最低電圧基準である1.01~1.12V(ボルト)で作動する。会社側は速度はもちろん、超低電力の特性も同時に実現した製品だと強調した。

SKハイニックスは「当社は1秒当たり8.5Gb速度のLPDDR5Xを発売してわずか2ヶ月で技術限界を再び突破した」とし「今後今回の新製品を基盤に顧客が必要とする多様な容量の製品を供給しモバイル用DRAM市場の主導権をより一層強固にするだろう」と明らかにした。

実際、最近SKハイニックスはLPDDR5T単品チップを結合し、16GB(ギガバイト)容量のパッケージ製品にし、サンプルを顧客に提供した。パッケージ製品のデータ処理速度は1秒当たり77GBで、これはFHD(Full-HD)級の映画15本を1秒で処理するレベルだ。

SKハイニックスは10ナノ級第4世代(1a)微細工程を基盤に、今年下半期から同製品の量産に入る計画だ。

一方、SKハイニックスはLPDDR5Xに続き、今回の製品にも「HKMG(High-K Metal Gate)」工程を採用した。会社は「HKMG工程技術力を通じて新製品が最高の性能を備えることになった」とし「次世代であるLPDDR6が出てくるまでは技術力格差を画期的に広げたLPDDR5Tがこの市場をリードしていくだろう」と自信を示した。

IT業界は今後、5Gスマートフォン市場が拡大すれば、速度、容量、低電力などすべてのスペックが高度化されたメモリ需要が増えるものと見ている。このような流れでSKハイニックスは今回のLPDDR5Tの活用範囲がスマートフォンだけでなく人工知能(AI)、マシンラーニング(Machine Learning)、拡張・仮想現実(AR・VR)まで拡大するものと期待している。

SKハイニックスのリュ・ソンス副社長(DRAM商品企画担当)は「今回の新製品開発を通じて超高速を要求する顧客のニーズ(Needs)を充足させることになった」とし「今後も次世代半導体市場をリードする超格差技術開発に努力しIT世界のゲームチェンジャーになるだろう」と述べた。

参考記事:SKハイニックス、サーバDRAM「DDR5」が世界初のインテル認証を獲得…サーバ用メモリの新市場開拓
参考記事:半導体の回復までどれくらい?…「DRAMは3Q・NANDは4Qかかる」見通し
参考記事:景気低迷で業績不振のSKハイニックス、DDR5で反発するか

関連記事

特集記事

エレクトロニクス業界リサーチやコンサルティング、コーディネーションのご相談はこちらまで

ランキング

  1. 1

    シャープからサムスンに転職したエンジニアが語る「サムスンが優秀な理由」

  2. 2

    スマホ世界一のサムスン電子が日本市場で苦戦中、iPhoneとは対照的

  3. 3

    Galaxy S23 ultraの色やエッジは? 「薄くなって平らになる」

  4. 4

    味の素社が製造するABFの調達懸念で韓国半導体業界は非常事態に…なぜ?

  5. 5

    Galaxy S22の購入者、発熱問題でサムスン電子を相手に集団訴訟を予告

  6. 6

    LCD事業の撤退を急ぐサムスンディスプレイ…今年6月に生産終了へ向け調整

  7. 7

    再びやってきたGalaxyの危機、「バッテリー爆発」Note7の事態を振り返る

  8. 8

    「二つ折り」サムスンの新商品フォルダブルフォン「フレックス」公開

  9. 9

    ウクライナ事態で希少ガス「ネオン」の価格が高騰…ポスコに関心集まる

  10. 10

    サムスン電子、横にもワイドな「ㄱ字型」のフォルダブルフォンを発売へ

TWITTER

「Galaxy Z4 vs iPhone14 vs Mate50」韓米中の戦略スマホがビッグマッチ
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091603/

米EV補助金の中止で暗雲が立ち込める現代自動車グループ、解決策はあるか
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091602/

K-半導体、需要低迷による危機が懸念される中、韓国企業は投資で正面勝負に
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091601/

BOE、昨年米国での出願特許1位・サムスンDは2位…技術覇権争い激化
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091502/

サムスンSDI、独BMWと北米にEVバッテリー工場設立の可能性
#コリアエレクトロニクス
https://korea-elec.jp/post/22091501/

Load More
TOP