QLEDテレビを巡るサムスン電子と英国の量子ドット(QD)企業であるナノコテクノロジー間の特許侵害紛争が一段落した。韓国メディア「グローバル経済新聞」が報じた。(写真:聯合ニュース)
原文記事:https://www.getnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=615370
サムスンがナノコに1億5000万ドル(1880億ウォン、約198億円)を支払う条件で合意したことによるものとされる。
5日(現地時間)ロイター・ブルームバーグ通信と連合ニュースによると、ナノコは今月3日の声明を通じてライセンス契約と特定特許を移転する合意により訴訟を中止しサムスン電子が1億5000万ドル(約198億円)を支給することにしたと明らかにした。
ナノコは2020年、サムスン電子が自社の量子ドット特許計5件を侵害し、これを通じて製造したQLEDテレビで販売業績を上げたとし、米国テキサス東部地方裁判所に被害補償を要求する訴訟を提起した。
ナノコはサムスン電子が2010年に液晶表示装置(LCD)モジュール素材技術と関連して自社と協力したとし、当時自社がサムスンに量子ドットサンプルを提供し、これをサムスンがコピーしたと主張した。
量子ドットは電気・光学的性質を帯びたナノメートル(nm・1nmは10億分の1m)サイズの半導体粒子で、光エネルギーを受ければ自ら色を出すと連合ニュースは説明した。
ナノコ側は今回の合意を通じて米国・ドイツ・中国で関連訴訟が全て終わったと明らかにした。
サムスン電子とナノコは先月6日、裁判所に紛争解決に合意したと明らかにしたが、当時の合意内容は公開されなかった。
一方、ロイターは今回の訴訟は原告側が第三者の資金支援を受けて訴訟をした事例であり、最近論難になっていると伝えた。
ナノコは投資会社GLSキャピタルの支援を受けて今回の訴訟を起こした。両社間の詳しい契約内容は明らかにされなかったが、GLSキャピタルの共同設立者であるアダム・ギルはナノコが合意金の60%以上を持っていくと主張した。
ナノコのブライアン・テナー最高経営者(CEO)は声明でGLSキャピタルの資金支援のおかげで「はるかに大きな敵を相手に同等な立場で訴訟を提起することができた」と述べた。
しかし、米商工会議所などはこのような第三者支援慣行が訴訟主導主体を不明にし、不必要な訴訟を煽ると批判した。
逆に、この慣行を支持する人々は、競争の場を公平にし、正義を高めると主張した。
参考記事:サムスンディスプレイ、QD OLEDの本格的な成長ぶり…大型市場攻略急ぐ
参考記事:サムスンディスプレイ、世界3大ゲームショー「ゲームズコム2022」でQD披露
参考記事:英企業がサムスンを提訴、QLED核心素材