韓国銀行が米・中貿易摩擦で韓国の実質国内総生産(GDP)が0.1~0.3%減少する可能性があるという見通しを出した。米・中葛藤、地政学的緊張で経済的分節化が深化する場合、韓国にも中長期的なサプライチェーンリスクが大きくなりかねないということだ。韓国メディア「ファイナンシャルニュース」が報じた。(画像:iStock)
原文記事: https://www.fnnews.com/news/202302071821429342
韓国銀行は7日に発表した「今後のグローバルサプライチェーンリスクと示唆点」イシューノートで「世界経済は長い時計でグローバル化と脱世界化の浮き沈みを経験してきた。中期的には米・中葛藤、地政学的緊張などにともなう分節化がサプライチェーンリスクを拡大させる恐れがある」としてこのように見通した。
2017年のサード(THAAD・高高度ミサイル防衛システム)事態で中国が韓国に貿易門戸を狭めた時、対中輸出が傾向対比3%減った点を考慮すれば、米・中葛藤で韓国の総輸出額(名目)は1.0~1.7%、実質GDPは0.1~0.3%減少する可能性があると推定した。
これは韓国の核心品目が米・中に偏重されていることとも接している。半導体は対中輸出の割合が昨年基準で55%、自動車は対米輸出の割合が40%を占めた。
韓国は輸入国も特定国家に偏っており、分節化による支障がさらに大きくなりかねない。
韓国経済は原材料と中間財を特定国家(中国・日本・欧州連合)中心に相当部分輸入している。分節化が深刻化すれば、製造業など各産業分野の生産に支障をきたすことになり、国家全体としては物価が上昇しかねない。
韓国銀行は「最近貿易・技術分節化の主要対象になっている半導体、バッテリーの場合、分節化にともなう技術提携、市場進出機会などの肯定的側面と国内産業生態系悪化、雇用萎縮の可能性などの否定的側面が同時にある」とし「地域別・品目別多角化、技術革新を通じてリスク現実化に備える必要がある」と強調した。
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