バッテリー世界1位のLGエナジーソリューション…根拠ある「自信」

LGエナジーソリューションは昨年、中国市場を除いた世界の電気自動車用バッテリー市場でシェア1位を占めた。バッテリー市場の主導権を先取りできた理由は、優れた未来戦略と差別化された品質・性能、歩留まり安定化と関連した自信が位置しているためだ。韓国メディア「ピンポイントニュース」が報じた。(写真:LGエナジーソリューション)
原文記事:https://www.pinpointnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=179982

LGエナジーソリューションの競争力といえる特許数は、昨年第3四半期末の累積基準で2万5825件(国内8447件、海外1万7378件)で圧倒的に多い新技術特許を保有している。2次電池世界1位の中国CATLより5倍多い。この10年間、研究開発(R&D)に5兆3000億ウォン(約5553億円)をつぎ込んでおり、全世界に布陣したR&D人材は3300人余りに上る。

LGエナジーソリューションなしに電気自動車を生産することは不可能だという話まで出ている。テスラ・ゼネラルモーターズ(GM)・ステランティス・ホンダなどの完成車メーカーがすべてLGエナジーソリューションに頼っている。

また、世界6カ国に生産ライン体系を構築している世界唯一のバッテリーメーカーとして挙げられる。現在、単独・合作形態で韓国・北米・中国・ポーランド・インドネシアなど6ヶ国でバッテリーを生産できる。これに対し、今年の施設投資を前年より50%以上増やし、グローバル生産能力を300ギガワット時(GWh)まで拡大する計画だ。300GWhは純高性能電気自動車430万台を生産できる規模だ。

LGエナジーソリューションは今後、高成長が予想される欧州電気商用車市場まで足を伸ばす計画だ。LGエナジーソリューションは最近、フォード・コーチと手を組んで電気自動車バッテリー生産合弁法人設立推進のための了解覚書(MOU)を締結した。これにより、3社はテュルキエ・アンカラ近くのバシュケント地域に2026年の量産を目標に、約25GWh規模のバッテリー工場の建設を推進し、今後の生産規模を45GWhまで拡大する案も協議する。

当該合弁法人で生産されたバッテリーは、フォードが北米と欧州市場で主導権を確保した商用車に主に搭載される予定だ。フォード・オートサンはテュルキエ自動車生産の45%、自動車輸出の41%を占める。LGエナジーソリューションとフォードはこの機会に10年以上のパートナーシップをさらに強固にすることになった。

さらに今年末、ゼネラルモーターズ(GM)合弁法人(JV)の1・2期稼動などを通じて生産能力を55GWhに拡大し、ポーランドのヴロツワフ生産工場は90GWh、韓国・中国などアジア内の生産工場は155GWhまで増やす計画だ。また、米アリゾナ州に1兆7000億ウォン(約1781億円)を投資した11GWh規模の工場も建設予定だ。

LGエナジーソリューションは今後、▲製品競争力差別化、▲スマートファクトリー実現、▲SCM(供給網管理)体系構築、▲未来準備の4大核心課題を重点的に推進し、グローバル先頭の立地強化を図ると明らかにした。

LGエナジーソリューションは2020年12月、LG化学から分社した後、2年ぶりに営業利益1兆ウォン(約1048億円)を突破し「1兆ウォン(約1048億円)クラブ」に入った。

業界によると、LGエナジーソリューションの昨年の業績は売上25兆1891億ウォン(約2兆6390億円)、営業利益1兆4273億ウォン(約1495億円)と集計された。前年比売上は41.1%、営業利益は85.7%増え、過去最大値を達成した。

最近の営業利益を見ると、2020年の公式発足以来、急成長した。2021年7685億ウォン(約805億円)、昨年1兆4273億ウォン(約1495億円)を記録した。営業利益率も2021年4.3%、昨年5.7%に増加し、連結基準売上は2021年17兆ウォン(約1兆7811億円)から昨年25兆ウォン(約2兆6192億円)を越えた。

昨年下半期のEV・電力網用ESS需要改善傾向により、全製品群出荷量が増加し、原材料価格上昇分の販売価格連動拡大に支えられ、年間最大売上を達成することができた。また、販売台数の拡大による規模の経済効果、生産性向上によるコスト削減、価格競争力のあるメタルソーシング採用拡大などで営業利益を大幅に増やした。

LGエナジーソリューションは今年の年間売上を前年対比25~30%増加させるという目標を提示した。

LGエナジーソリューション側は「グローバル生産工場の新・増設および安定的な運営、北米地域内販売拡大等を通じてこのような年間売上成長を予想する」とし「持続的な原価改善努力、製品競争力差別化等を通じて営業利益率もやはり持続的に改善していく」と明らかにした。

参考記事:LGエナジーSとホンダがバッテリー合弁工場の起工式開催
参考記事:LGエナジーSとサムスンSDI、円筒形バッテリー事業強化へ
参考記事:中国に押され気味の「K-バッテリー」、円筒形・LFPバッテリーで勝負に出る

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