LGディスプレイの「MLA」vs サムスンディスプレイの「QD」…市場の選択は?

LGディスプレイとサムスンディスプレイの次世代大型有機発光ダイオード(OLED)技術が市場評価を控えている。グローバルテレビメーカーが両社のパネルを搭載したフラッグシップOLEDテレビを続々と公開し、画質競争が加熱している。韓国メディア「mediapen」が報じた。(写真:LGディスプレイ OLED TV EVO)
原文記事:http://www.mediapen.com/news/view/797904

3日、業界によると、主要テレビメーカー各社はOLEDテレビの新製品を今月からグローバル市場に披露する予定だ。

LGディスプレイ LG OLED EVO(モデル名:G3)

これを受け、LGディスプレイとサムスンディスプレイの大型OLEDパネルに対する評価も本格的に行われる見通しだ。今年、LGディスプレイは「マイクロレンズアレイ(MLA)」を、サムスンディスプレイは量子ドット(QD)技術を前面に打ち出している。

主要テレビメーカーの技術選択の輪郭も明らかになっている。サムスン電子とソニーはQDで、LG電子とフィリップスなどはMLAでフラッグシップOLEDテレビラインナップを構成している。

特にサムスン電子とLG電子は最新OLEDパネルが搭載された最大サイズ77型製品価格まで同じように策定し、視線を集中させている。QD-OLEDパネルが搭載されたサムスン電子のS95C77型モデルとMLA技術が採用されたLG電子のG377型いずれも4500ドル(61万5千円)(米国基準)の値札がついた。

今年、LGディスプレイとサムスンディスプレイの大型OLEDパネルは発光効率が改善され、明るさと画質で一歩進んだという評価を受けている。

新型OLEDパネルにLGディスプレイはMLAと呼ばれる超微細レンズを採用した。画素1個当たり5117個(77インチ4K基準)、計424億個のマイクロレンズを高度に精密に作り、内部反射で消失した相当量の光まで外部に放出し、より明るい画面を具現することができる。

また、「メタブースター」アルゴリズムで明るさと色の表現力も強化した。独自開発した輝度強化アルゴリズム「メタブースター」は映像の各場面ごとに明るさ情報を精巧に分析しリアルタイムで調節して画面の明るさと色表現力をより一層高めてくれる。

サムスン電子 OLED TV

第3世代OLEDテレビパネルは、従来の1300ニット水準の最大輝度を2100ニット(HDR基準)に大幅に高め、現存OLEDテレビパネルの中で最も明るい画面を実現する。従来製品より画面の明るさは60%、視野角は30%、エネルギー効率は22%改善された。

サムスンディスプレイは2023年型QD-OLED製品に進化した人工知能(AI)技術と最新有機材料を採用した。パネルの最大明るさは2000ニット以上である。

サムスンディスプレイのQD-OLEDは、ビッグテーターを基盤とするAI技術で、各ピクセルに対するデータをリアルタイムで収集し、これを土台に光を精巧に制御する。進化したAI技術が採用され、パネル効率も向上した。

QD-OLEDのブルー発光原層には最新有機材料が採用された。これにより、QD色変換層を通過したRGB光がさらに明るくなり、画面の色もさらに鮮明に表現される。

高効率有機材料と進化したAI技術が採用され、今年のQD-OLEDパネルは昨年の製品対比消費電力も25%減少した。

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