エコプロが欧州の廃バッテリーリサイクル市場の先取りに乗り出す。エコプロは今月10日、SKエコプラント・テス(TES)などと「欧州地域バッテリーリサイクル事業協力」のための業務協約(MOU)を締結したと明らかにした。韓国メディア「マネートゥデイ」が報じた。(写真:エコプロ)
原文記事:https://news.mt.co.kr/mtview.php?no=2023031009044932524
今回の協約により、3社は欧州地域の廃バッテリーリサイクル市場を先取りするため、EV(電気自動車)の廃バッテリー及びスクラップ(バッテリー製造工程で発生する不良品)の物量を安定的に確保することに積極的に協力する。協約式は9日、ソウル鍾路区(チョンノグ)のSKエコプラント本社で行われた。エコプロのソン・ホジュン代表、SKエコプラントのパク・ギョンイル社長など両社の関係者が参加した。テスのゲーリー・スティールCEOはオンライン画像で協約式に参加した。
3社はエコプロの廃バッテリーリサイクルおよび素材技術力とSKエコプラント・テスが持つ廃バッテリーリサイクルおよびグローバルネットワークなど各社の強みを土台にシナジーを創出し市場を先取りするという計画だ。今回のコラボレーションを通じてハンガリー・ドイツなどに拠点を置く国内外の電気自動車およびバッテリーメーカーを相手に物量確保のための交渉力を高めるものと期待される。
エコプロは、廃バッテリーリサイクル事業分野で廃バッテリー物量確保およびこれをバッテリー素材まで連携する循環経済システム(Closed Loop System)をエコプロならではの主要競争力と見ている。これに対し国内浦項迎日湾(ポハン・ヨンイルマン)産業団地に造成した国内唯一の「エコバッテリー浦項キャンパス」のような正極素材バリューチェーン(Value Chain)生態系を今後欧州現地にも構築するという計画だ。
エコプロは今回のコラボレーションを通じて、長期的に原料需給の多角化はもちろん、欧州産原材料の使用とリサイクル原料の割合を高めなければならない欧州の核心原材料法(CRMA)にも対応できるものと期待している。
エコプロのソン・ホジュン代表は「2050年に廃バッテリー市場が600兆ウォン(61兆5505億円)まで拡大する見通しで、欧州バッテリーおよび完成車顧客のリサイクルに対する需要は非常に明確で具体的」とし「特に今月の欧州版インフレ削減法(IRA)」と呼ばれるCRMAに先制的に対応していく計画」と伝えた。
SKエコプラントのパク・ギョンイル社長は「グローバル電気自動車およびバッテリーメーカーの生産拠点が集結した欧州は、廃バッテリーリサイクル市場が一番先に開花すると予想される非常に重要な地域」とし「エコプロ、テスとの協力を通じて欧州地域の廃バッテリーリサイクル市場の先取りを加速化し、これを通じて廃バッテリーリサイクル分野のグローバルリーダーシップを確保していく」と述べた。
エコプロは国内唯一のバッテリー正極素材バリューチェーン「エコバッテリー浦項キャンパス」を構築、廃バッテリーリサイクルから正極材の主要原材料である前駆体および水酸化リチウム、最終製品である正極材まで完璧な二次電池素材生産生態系を備えた。
SKエコプラントは、国内の代表的な環境企業で、廃バッテリーリサイクル市場の先取りに向け、グローバル企業と戦略的パートナーシップを構築し、これと関連して多様な分野の知識財産(IP)ポートフォリオの構築にも力を入れている。SKエコプラントの子会社であるテスは廃バッテリー回収と前後処理工程を専門とする電気・電子廃棄物(E-waste)処理専門企業で、全世界22ヶ国に44ヶE-waste処理事業場を保有した。
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