SKハイニックスがメモリ需要の減少や販売価格の下落で、今年第1四半期にも赤字を出すものと見られる中、システム半導体であるCMOS CIS(イメージセンサー)に集中するなど、事業多角化の動きを見せている。SKハイニックスの主要事業がメモリ半導体であるため、イメージセンサーのグローバル市場シェアはまだ微々たる方だが、組織改編を通じて研究開発に重きを置き、先発メーカーの追撃に乗り出している。韓国メディア「イーデイリー」が報じた。(写真:edaily)
原文記事:https://www.edaily.co.kr/news/read?newsId=01613766635542008
9日、市場調査会社のオムディアによると、昨年、全世界のイメージセンサー市場でSKハイニックスは市場シェア(売上基準)5位につけた。同年第3四半期基準で3.8%から5.3%に市場シェアも増えたもので、メモリ半導体不況にもイメージセンサー市場が次第に大きくなるのが純影響を及ぼしたものと分析される。サムスン電子は1位のソニーに続き2位の座を維持した。
SKハイニックスの1年間の売上推移を見ると、昨年第1四半期の売上が1億5300万ドル(約1982億ウォン、約209億円)を記録し、第4四半期に2億6500万ドル(約3500億ウォン、約362億円)へと増加傾向を示した。これと関連して業界のある関係者は「イメージセンサーの場合、ダウンターンを体験しているメモリ半導体とは異なり善戦している」とし「全体市場売上が増えたことにより概して企業等の成績が良い」と述べた。続けて「カメラが搭載された電子機器にイメージセンサーが必要なので、今後活用分野はますます広くなるだろう」とし「SKハイニックスのような後発メーカーもこのように大きくなる市場内シェアを増やすことに集中している」と述べた。
グローバル市場調査機関のICインサイツによると、イメージセンサー市場の売上規模は今年193億ドル(約25兆4900億ウォン、約2兆6373億円)から2026年269億ドル(約35兆5200億ウォン、約3兆6755億円)に拡大する見通しだ。
イメージセンサーは発売以来10~15年間、大部分が携帯電話カメラ技術として活用されたが、自律走行車、人工知能(AI)、仮想・増強現実(VR・AR)など活用可能な範囲が増え成長傾向を見せている。
SKハイニックスはスマートフォン用の超高画素製品を開発し、市場シェアの拡大を狙っている。昨年10月、1億800万画素イメージセンサー「Hi-A811」を披露した。昨年初め、5000万画素イメージセンサー発売を発表したのに続き、1億画素を超える新製品を公開し技術力を表わした。
SKハイニックスは最近、CIS事業部を研究開発中心の組織に改編した。既存スマートフォン内のイメージセンサー搭載に集中したとすれば、研究開発を通じて高付加価値製品開発はもちろん、事業領域拡大に全力を注ぐという腹案と読まれる。社内グローバル力量強化プログラムを通じて、自社職員にドイツ光学製品専門メーカーのカルザイス業務経験を提供したことも大きな注目を集めたことがある。
SKハイニックスは主管したグローバル学術大会「IEEE EDTM 2023」でも低電力性能のためのA/D変換器設計などイメージセンサー関連技術を知らせることにも集中した。
参考記事:Galaxy S23、「2億画素イメージセンサー」が作った画質は?
参考記事:「30兆ウォンの市場をつかめ」…激しくなるグローバルイメージセンサー競争
参考記事:SKハイニックス、AI演算機能を備えた次世代イメージセンサーを開発