昨年、全世界半導体企業1位に上がったサムスン電子が、今年第1四半期の不振な成績表を受け取るものと見られる。グローバル景気低迷にともなう需要萎縮の余波で在庫資産が急増し、一部では半導体事業が赤字を出す可能性もあるという予測も出ている。韓国メディア「EBN産業経済」が報じた。(写真:サムスン電子)
原文記事:https://www.ebn.co.kr/news/view/1569948/
10日、半導体業界によると、サムスン電子の半導体事業部門は昨年に670億5500万ドル(約9兆1628億円)の売上を上げた。これは同期間、米インテルが記録した608億1000万ドル(約8兆3094億円)を62億4500万ドル(約8531億円)上回ったものだ。
ただ、昨年にサムスン電子はメモリ半導体需要不振で前年対比売上が10.8%減った。インテルもパソコン市場の需要不振などの理由で売上が20.6%減少し、サムスン電子に1位の座を明け渡した。
サムスン電子が全世界半導体売上1位企業に上がったが、傷だけの光栄だという評価が出ている。景気低迷でスマートフォンやパソコンなど完成品の需要が減り、半導体在庫が増える悪循環が繰り返されている。サムスン電子の半導体担当DS部門の在庫は昨年末29兆576億ウォン(約2兆9967億円)で、前年度比76.6%急増した。
金融投資業界では今年第1四半期、サムスン電子半導体部門が赤字を記録し、業績悪化が加速化するだろうという予測も出ている。
エフアンドガイドは、サムスン電子の第1四半期の営業利益を前年比83%減の2兆3000億ウォン(約2372億円)台と観測した。証券街では半導体部門が2兆ウォン(約2063億円)に近い赤字を出すものと予想した。
キウム証券はサムスン電子が第1四半期に続き、第2四半期の業績も市場コンセンサスを下回るものと予想した。第1四半期と第2四半期の営業利益としてそれぞれ1兆4000億ウォン(約1444億円)と6085億ウォン(約628億円)を上げるものと観測した。
一部ではメモリ価格の下落傾向が今年第3四半期から終わり、回復傾向に入るだろうという見方も出ている。
未来アセット証券は「グローバルメモリ購買会社が全般的に業況に対する保守的予測により2四半期以上保有在庫を下げてくると同時に、今年第1四半期業況が最も難しいと予想する」と分析した。
それと共に「ダウンサイクルの入り口よりは頂点に近づいてきたと判断し、メモリ価格の下落終了時点は今年第3四半期中と予測する」と見通した。
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