サムスン電子のスマートフォン事業がヒット作の悩みに陥った。昨年、世界で最も多く販売されたスマートフォンの中でGalaxy Aシリーズだけが名前を上げ、世界1位のスマートフォンメーカーというタイトルにふさわしくない体面を崩したためだ。これに対しサムスン電子は普及型とプレミアム製品に集中する両極化戦略でヒット作を拡大する戦略を展開している。韓国メディア「ちょすnBiz」が報じた。(写真:Galaxy S23)
原文記事:https://biz.chosun.com/it-science/ict/2023/03/17/55F32AZZHZHCRPXVKGI23G56IQ/
17日、市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると、昨年、世界で最も多く販売されたスマートフォン上位10製品のうち、サムスンフォンはGalaxy A13とA03だけだった。反面、アップルフォンはiPhone13、iPhone14など主要プレミアム8製品が名前を載せた。サムスンのフラッグシップGalaxy Sシリーズは10位圏に入らず、iPhone対比ヒットが不振だったという評価が出ている。
サムスン電子は年間スマートフォン販売量の70~80%がGalaxy Aなど中低価格製品に重点を置いたと知られた。アップルのiPhoneの平均販売価格(ASP)が700ドル(約9万3千円)を上回るのとは異なり、サムスンGalaxyのASPが350ドル(約4万7千円)台にとどまるのも中低価格製品の販売比重が高いためだ。これに伴い、GalaxyもiPhoneのようにプレミアム販売比重を増やさなければならないという指摘が着実に出ている。
サムスン電子はこれまで10万ウォン(約1万円)から80万ウォン(約8万2千円)まで、さまざまな価格帯別スマートフォン製品を販売してきた。アップルとのプレミアム競争はもちろん、中国企業との中低価格競争も展開しなければならなかったためだ。ところが50万ウォン(約5万2千円)~80万ウォン(約8万2千円)台の中途半端な価格帯製品の需要層が着実に減り事業戦略修正が避けられなくなった。サムスン電子がAシリーズ最上位製品であるA7シリーズ発売を暫定的に中止し、A1・3・5など低価格市場を狙ったGalaxy Aラインナップを持っていく計画を立てた理由だ。
準プレミアムフォンを標榜したGalaxy Sファンエディション(FE)も状況は同じだ。Galaxy S FEシリーズはプレミアム製品であるGalaxy Sシリーズの基本性能に70万~80万ウォン(約7万2千円 ~約8万2千円)台の価格で人気を集めた。Galaxy S20 FEの場合、1000万台以上販売された。しかし、Galaxy S21 FEが期待以下の成績を収め、事実上発売が中止された状態だ。
結局、サムスン電子は50万ウォン(約5万2千円)以下の低価格型Galaxy A1・3・5シリーズとプレミアムSシリーズ、フォルダブル製品を通じて低価格と高価に二分された世界スマートフォン市場を攻略するという計画だ。業界関係者は「中価格モデルを好んだ東南アジア市場もプレミアムフォンに転じ、中途半端な中価格スマートフォン需要が急激に減った状態だ」とし「プレミアム製品を通じた収益性拡大戦略がサムスン電子が進むべき方向だ」と述べた。
一方、サムスン電子は最近、普及型スマートフォンのA54 5G、A34 5G製品を欧州と東南アジア市場に発売した。A54は6.4インチ、A34 6.6インチサイズで、それぞれ5000ミリアンペア(mAh)バッテリー容量を搭載した。5000万画素カメラとナイトグラフィ(夜も鮮明に写る機能)、人工知能(AI)カメラ機能も採用した。50万ウォン(約5万2千円)台以下の低価格にもプレミアム級機能を搭載し、中国スマートフォンメーカーの低価格攻勢を防ぐという戦略だ。
市場調査会社のトレンドフォースによると、昨年、サムスン電子のスマートフォン出荷量は2億5800万台で1位を占めた。続いてアップルは2億3300万台で2位を記録した。サムスン電子は今年第1四半期にも23.6%のシェアでアップル(18.7%)を上回った。
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