サムスンがオープンソース半導体生産に意欲

サムスン電子が海外メーカーの特許を使用しない、オープンソースのシステム半導体を生産するという。 韓国経済新聞が報じている。

サムスン電子は10日、米国サンノゼで開催された「リスクファイブ(RISC-V)サミット」に参加し、リスクファイブを活用した半導体生産計画を公開した。
リスクファイブは、2010年に韓国人イ・ユンソプ博士を含め、米国UCバークレーの学者三人が主軸になって開発したオープン半導体設計資産(IP)システムである。 1990年代マイクロソフト(MS)PCのオペレーティングシステム(OS)であるウィンドウズに対抗したLinuxと似ている。 このため、業界ではリスクファイブを「半導体版のLinux」と呼んでいる。
サムスン電子は、今年初めにリスクファイブを利用して第2世代5G用通信チップを生産している。 このチップを来年発売するサムスンのフラッグシップスマートフォンに入れる計画だ。 リスクファイブのIPで開発したAIイメージセンサーは、同じ時期、自動車用半導体に装着するという。
サムスン電子は、システム半導体を開発するたびに、海外メーカーにロイヤリティを支払ってきた。 モバイル半導体は英国ARMに、PCとサーバ用半導体は米国インテルだ。 両社は、システム半導体のIPを保持しているからだ。
オープンソースの半導体設計図によって生産することになると、コストを低減させることができるようになる。

韓国経済新聞によると、業界関係者は、「半導体を設計するファブレスメーカーと生産だけ担当するファウンドリ、そしてすべての部品メーカーが半導体設計の特許を保有するインテルとARMが定めるルールによって動いてきた」とし「今後、サムスンが無料設計図であるリスクファイブを使用すると、ほとんどの企業がそれに応じて生産することになり、システム半導体の生産パラダイムが変えることができる」と述べた。
インテルとARMは、リスクファイブを牽制している。 しかし、サムスン電子をはじめ、クアルコムとGoogle、NVIDIAのはリスクファイブに加入しており、リスクファイブを中心とした半導体生態系の変化が起こる可能性がある。

サムスン電子の関係者は、「リスクファイブシステムがさらに洗練されるとAPのようなハイスペック半導体を開発するのが容易になる」とし「リスクファイブを積極的に活用すること」と述べたと韓国経済新聞は報じている。

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