中国政府は、消費者が、自国メーカーのバッテリーを装着した電気自動車を購入する際に税金を割り引く案を推進しているという。韓国のEV電池業界では、中国政府が2021年から自国バッテリー搭載車のみ支給していた補助金を完全に廃止すると明らかにしている状況で、このような政策は「第2の補助金」になるという懸念が出ている。韓国毎日経済新聞が報じている。
24日、中国のメディアやバッテリー業界などによると、中国政府は自国のメーカーが作ったバッテリーを搭載した電気自動車の購入時に特別消費税(購入税)を免除する案を検討していることが分かった。 バッテリー業界関係者は、「購入税を免除される車両のほとんどは、中国産のバッテリーを搭載した電気自動車」とし「中国政府の補助金が廃止されるとともに、このような政策が拡大するというのが業界の見方だ」と述べたと毎日経済新聞は伝えている。
現在、中国政府は、自国のバッテリーを搭載した車種に補助金のほか、車両価格の10%に達する購入税を免除しているという。 現在までに17種の車両が対象となっており、今後も中国のバッテリーを搭載した車両を中心に拡大すると業界では見ているという。
中国政府は、2012年以降、電気自動車購入者に対し半額に近い補助金を支給してきた。この過程で、中国のバッテリーメーカーは約200に増え、CATLは、日本のパナソニックを抜いて世界の電気自動車のバッテリー市場シェアで1位になっている。
しかし、補助金が減るなか、市場競争力を失ったメーカーは淘汰されはじめ、直近では80~社ほどに絞られているようだ。
中国メディアは、補助金が廃止される2021年以降、中国の電気自動車市場での韓国・日本・中国間の競争が激しくなるという懸念を示している。
こうした中、中国政府が自国のバッテリーを搭載した車種を対象に購入税を免除する案を検討していることで、韓国をはじめとする外国のバッテリーメーカーは、新たな規制が現実化するのがないかという懸念を持っていると、毎日経済新聞は報じている。業界では、電気自動車の補助金廃止しても、他の規制を通じて、外国のバッテリーメーカーを圧迫すると予測してきたが、購入税免除の拡大がそのカードになるとが見ているとのこと。
中国政府が9日、LG化学SKイノベーションのバッテリーが搭載された、いくつかの電気自動車に補助金を支給すると発表し、業界では、2016年以来、堅く閉じられていた中国電気自動車市場のドアが開かれつつあるとの期待感があった。一方で、中国内で増えすぎたバッテリーメーカーをふるい落す意図があるとの見方もあった。
韓国の業界関係者は、「2021年から中国市場での韓・中・日のバッテリーメーカー間の競争が激しくなることが予想される中、購入税免除の拡大は、技術力を確保したと評価されるCATL・BYDはかなり有利に作用する」とし「 中国政府の動きを注視している」と述べたと毎日経済新聞は報じている。