LG電子が今年1月に「CES 2019」で披露し、様々な賞を総なめしていた世界初のローラーブルTV活用(巻き取れるテレビ)の年内発売が延期された。
同社のOLED(有機発光ダイオード)の生産余力(キャパ)が限られるなか、ローラーブルTVの生産にまでリソースが回らなかったと見られる。
韓国メディア・チョソンビズによると、LG電子の関係者は、「ローラーブルTV(LGシグネチャOLED TV)は、従来にはない全く新しいTVであり、市場の状況・価格・供給方式・流通などを綿密に検討しているところ」とし「年内発売を計急がず、慎重に準備している」と明らかにしたという。年内発売中止を事実上認めたものである。
同報によると、ディスプレイ業界の関係者は「歩留まり率(完成品の割合)の問題や、4四半期にはフル稼働を予定していた中国広州工場が足踏み状態であることから、ローラーブルTVの生産余力がなかった 」と分析したという。
本誌でも報じたとおり、LGディスプレイは当初、9月から中国の広州工場で8.5世代(2200×2500㎜)OLEDパネルを量産する計画だったが、未だ量産態勢が整っていないようだ。
また、韓国国内のOLED工場は生産方式などを変更している最中であることから、歩留まり率の面で試行錯誤をしていると伝えられている。