漢陽大学のユ・チャンジェ教授とギム・ジェフン教授の研究チームが、有機発光ダイオード(OLED)光効率を画期的に向上させることができる円偏光構造を開発したと30日明らかにした。 カイラル特性が全くない発光物質を利用し光効率を画期的に高めた光素子を実装したという。韓国電子新聞が詳しく報じている。
自然光はすべての方向に振動する性質がある。 偏光は振動面が一側に偏った状態の光の波長を意味する。 OLEDは、光の反射を防ぎ、屋外視認性を高めるために円形偏光板を使用する。
通常、円偏光された光を得るために、偏光性に影響を与えるカイラル分子や添加剤が発光層に含まれなければならない。 カイラル分子は、液晶分子をねじって配置されるようにする物質である。
漢陽大研究チームは、液晶のように整列特性と弾性特性がありながらカイラル属性がない発光物質にカイラル添加剤を入れてねじれ構造を実装すると、高レベルの円偏光された光が作られる研究をしてきた。 今回は既存の研究結果をもとに、カイラル剤がなくても、ねじれ構造を形成する方法を考案したという。
研究チームは、発光物質の両方の境界面に別の方向に整列することができる仕組みを導入した。 これをもとに、発光物質の弾性特性を利用してカイラル剤がなくても連続的にねじれ構造を実装することができた。
特に発光物質の一方の境界面の位置に応じて、他の方向に整列させることができるように表面を処理し、単一の素子でねじれ方向が互いに反対である構造を実現した。 これをもとに、互いに反対方向の円偏光された光を同時に出すことができる素子を作製した。 また、この素子を実装することができる工程方法も提示した。
研究チームは、「今回の研究結果は、ディスプレイ分野はもちろん、バイオセンサー用光源素子にも適用することができるものと期待している」と述べたという。
今回の研究結果は、ネイチャーグループで発刊する光学分野の最高論文誌である「光:科学応用(Light:Science&Applications)」に掲載されたという。