米デュポン社が韓国にフォトレジストの生産工場を建てるようだ。韓国産業省(産業通商資源部)が発表した。
9日、同省(産業通商資源部)は、米デュポンがEUV用フォトレジスト生産工場を韓国内に構築するためKOTRA(大韓貿易投資振興公社)に投資申告書を提出したとし、2021年までに合計2800万ドル(約328億円)としており、生産工場は、韓国・天安に建てられる予定であるという。 同申告書の提出は、ソン・ユンモ産業省長官とデュポンのジョン・ケンプ社長が面会を行った場にて行われたという。
デュポンは1977年に韓国法人を設立して、天安や蔚山などで工場を運営してきたが、フォトレジストの生産ラインを備えるのは今回が初めてだ。
EUVフォトレジストは、半導体超微細工程に使われる重要な材料である。半導体基板(ウェハ)上にパターンを形成する工程で使用される材料であり、波長が短く微細化に適している。同分野は、日本のJSRや東京岡工業(TOK)など日本企業が世界市場の90%以上を占めている。
中央日報によると、韓国内でも、フッ化クリプトン(KrF)、フッ化アルゴン(ArF)などのフォトレジストは生産が可能であるが、波長がそれぞれ248ナノメートル(㎚)、198㎚と長いことから、EUV用(13.5㎚)に比べ微細工程に適合しないという。
韓国産業省によると、韓国政府は昨年7月、日本の輸出管理強化の後から、それら供給を安定させるためのデュポン社と接触してきたという。この過程で、政府 – 自治体 – KOTRAが共同でデュポン社と交渉を進め、韓国が最終投資先として選定されたとのこと。政府と自治体は、今後の投資過程において、問題点の解消とインセンティブ支援などが支障なく行われるように努力する予定だという。
ジョン・ケンプ社長は、投資申告書を提出する席において、「EUV用フォトレジストの開発・生産のために、今後韓国内の主要な需要メーカーと製品の実証テストを実施するなど、緊密に協力していく計画だ」と明らかにした。