韓国の半導体・ディスプレイ材料企業であるドンジンセミケム(DONGJIN SEMICHEM CO LTD.)がフッ化アルゴン(ArF)フォトレジストの開発のための露光機を追加で導入した。韓国電子新聞によると、日本企業が独占するArFフォトレジストの市場への参入を加速するためであるという。 ArFフォトレジストは、現在、半導体露光工程で主に活用されている素材だ。
今回導入される露光機は、ドンジン社の国内最大の顧客が使用していた中古機であるという。
ドンジン社は昨年、韓国の発案(パラン)にある自社工場にArF液浸露光装置一台を導入しているという。しかし、その後に、国を挙げた「フォトレジストの国産化」の動きのなかで、政府からの予算支援も受けながら、機器の追加購入に動いたと電子新聞は分析する。
ArFフォトレジストは、現在、半導体メーカーが主力チップを大量に生産するときに活用する。ArFフォトレジストは、二つに分けられる。 △ウエハに到達する光の屈折のために空気を使用するドライ装置△光屈折率が高い液体を使用するイマージョン機器フォトレジストである。
現在、業界で使用される主力露光装置はArF液浸装置である。この装置に使われるフォトレジストは、JSR株式会社、信越化学、東京岡工業(TOK)など日本企業が独占する。ドンジン社もArFドライおよび液浸装置のフォトレジストを生産しているが、まだ市場シェアは低いとみられる。
業界では、今年、ドンジン社がArF液浸装置を相次いで購入し、主力市場への参入に拍車をかけるだろうとみているという。韓国内で、市場に参入することができる素材企業は事実上、ドンジン社のみであるという。
一方、極紫外線(EUV)用フォトレジストに関しては、アメリカの化学素材企業デュポンが2800万ドル(約324億円)を投資して韓国に同生産工場を建てると先日発表している。