サムスン電子副会長、ファウンドリ分社化を否定

20日、サムスン電子のデバイスソリューション(DS)部門長キム・ギナム副会長はこの日、ソウル中区にあるチョソンホテルで開かれた「2020年韓国工学翰林院新年会」に参加した。キム副会長は、ファウンドリ事業の分社化に関する質問に対し「まだ計画はない」と答えたという。韓国メディアが報じた。

サムスン電子のファウンドリ事業の競合先は台湾TSMCだ。といっても、TSMCは市場シェア50%以上を占める圧倒的な業界1位。サムスン電子は、極紫外線(EUV)工程を先んじて導入するなどTSMCへの追撃に集中しているが、その差は中々縮まらない。昨年、両社のシェア差はさらに広がった。市場調査会社のトレンドフォースによると、TSMCの昨年第4四半期のファウンドリ市場シェアを52.7%、サムスン電子は17.8%と推定した。 TSMCは第1四半期の48.1%から50%以上に伸ばしたのに対し、サムスン電子は19.1%(第1四半期)から減少した。

(※参考記事:TSMC過去最高売上でサムスンとの差広げる)

業界では、両社の技術力は大きな違いはないとされる。ただ、 TSMCは、純粋なファウンドリであるのに対し、サムスン電子は半導体設計部門を抱える。クアルコムやアップルにとっては、サムスン電子は競合他社でもあり、技術流出などを懸念する。

このため、サムスン電子がファウンドリ事業を拡大するためには、同事業を分社化すべきだという主張が以前からあった。しかし、サムスン電子側は、これまで韓国各紙の取材に対し、ファウンドリ事業の分社化をすべて否定している。分社化には、資金や人材などの面でデメリットもあるといわれる。

(※参考記事:サムスン・ファウンドリが独立すべき理由、しない理由)

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