KISTがシリコン素材陰極を開発。リチウム電池性能向上に資する

携帯電話やノートパソコンなどに利用されているリチウムイオン電池。その性能を向上させることができるとする素材が韓国研究機関で開発された。 韓国各紙が報じている。

韓国科学技術研究院(KIST)は、エネルギー保存研究団のジョン・フンギ上級研究員のチームが、シリコンと固体炭素構造体による新しい陰極材料を開発したと明らかにした。

現在商用化されているリチウムイオン電池は、負極に主に黒鉛が使用されるが、最近では電池の容量を増やすため黒鉛の代わりにシリコン素材陰極を使用する方法が研究されている。 しかし、シリコン負極は、充電 – 放電が繰り返されると体積が膨張しバッテリーが壊れるという欠点がある。

研究チームは、このような問題を解決するための研究を行っていた。 2017年、研究チームは、同問題を解決するため、シリコンを「枠」に入れて体積変化を防ぐ方法を考案した。 直径が5〜50㎛(マイクロメートル= 100万分の1m)程度である固体炭素構造体の中にシリコンを入れるというものである。

当時は化学的に合成したが、今回はこの素材を作成する方法を簡素化したという。 水に、トウモロコシやサツマイモなどから出る澱粉を、油にはシリコンを入れ、乳化剤を入れて混ぜた後、加熱処理したものである。 「混合」と「加熱」のプロセスを経た素材は、固体炭素構造体の中にシリコンが入った複合体が形になるというのが研究者の説明だ。

KISTはこの製作過程を「揚げ物を作るような簡単な加熱工程」と説明した。

研究者が開発した負極材は、既存の黒鉛系負極材より容量が4倍大きいことが分かった。 また、充電と放電を500回重ねても性能が維持され、5分以内にストレージ容量の80%以上を満たす急速充電も可能だという。

ジョン・フンギ研究員は、「トウモロコシや澱粉など、日常的に入手しやすい材料を活用し、材料を混合し、熱処理して炭素 – シリコン複合材料を開発した」とし「工程が簡単で、かつ特性が優れているので、大量生産と商業化の可能性が高い 」と評価した。

また、 「(開発した素材が)今後のリチウムイオン二次電池に適用されると、電気自動車とエネルギー貯蔵システム(ESS)に活用することができるだろう」と付け足した。

研究結果は、昨年12月11日、国際学術誌「ナノレタス」(Nano Letters)に掲載された。

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