サムスンSDIが無線イヤホンのバッテリー事業に進出

サムスンSDIが急速に成長するワイヤレスイヤホン市場に対応し、小型バッテリー事業を広げるようだ。コイン型(ボタン型)電池を開発中であり、今年から主要メーカーに供給する計画であるという。

30日、サムスンSDIは第4四半期業績発表後に行われたカンファレンスコールにおいて、無線イヤホン用コイン型電池を発売すると発表した。サムスンSDIがワイヤレスイヤホン用超小型バッテリー市場に進出するのは今回が初めてだ。ハンガリーの工場を中心に生産施設を設置する。具体的なキャパについては言及しなかったが、昨年末基準で20ギガワット時(GWh)規模のキャパを確保したとだけ述べた。

キム・ホンジュン電池戦略マーケティング部門常務は、「ワイヤレスイヤホンは、コインセル、ピンセル、超小型ポリマーなどが使われ、このうちコインセルが主力と見て重点的に開発している」とし「今年から大手IT企業やオーディオ企業、中国企業などに販売する」と述べた。

韓国メディアによると、ワイヤレスイヤホン用超小型バッテリー市場は、ドイツのバルタ(VALTA)とLG化学が大手供給者だ。バルタはコインセル、LG化学はピンセル供給。アップルは、AirPods1とAirPods2ではLG化学のピンセルを、AirPods Proではバルタのコインセルをそれぞれ使用した。今年はコインセルの市場割合が57%となり、ピンセル(18%)を圧倒する見通しだ。市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると、昨年はピンセルが48%、コイン型が25%、ポリマーが27%だった。

サムスンSDIは昨年ワイヤレスイヤホン用超小型電池市場が3億セルから2025年には12億セルにまで伸びると予想した。

昨年、サムスンSDIは売上高10兆974億ウォン(約1兆円)と創業以来初めて売上10兆ウォン以上を記録。営業利益は、4622億ウォン(約424億円)だった。前年同期比の売上高は10.3%上昇した。営業利益は35.4%減少した。営業利益の不振はエネルギー貯蔵装置(ESS)火災による費用の発生が大きかった。 6月まではESS安全性強化措置が続くが、下半期には業績反発が予想される。

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