格付け機関であるムーディーズは4日、SKハイニクスの昨年実績の不振は想定内であり、今年は実績が改善されるだろうと予想した。
(参考記事:「SKハイニクスが昨年実績発表=営業利益87%減。市場予想大きく下回る」)
ムーディーズは、この日発表した報告書において、「SKハイニクスの昨年調整前EBITDA(法人税・利子・減価償却費控除前営業利益)が前年比59%減少し、営業実績は不振だったが、これは予想していた範囲」と評価。
続いて「昨年の利益の減少は、データセンター、スマートフォンメーカーなど主要メモリ半導体市場の需要鈍化による供給過剰とメモリ半導体価格の下落による」とした。
ムーディーズはまた、「SKハイニクスの売上高は昨年3〜4四半期にはDRAMとNAND型フラッシュ部門の両方で小幅成長に転じ、2018年第4四半期から続く売上減少傾向が反転した」とし「データセンターの半導体需要が改善された影響」と分析した。
また、「主なメモリ半導体メーカーが増産縮小を計画しており、今年のSKハイニクスは実績が改善されるだろう」とし「データセンターの在庫正規化、スマートフォンの大容量採用増加に半導体需要が改善され、業況も良くなるとみられる」と説明した。
SKハイニクスについては、韓国の証券会社も業績回復を予想する。
NH投資証券は31日、SKハイニクスについて、「今年第1四半期からDRAM価格が上昇すると予想される。今年は、データセンターへの投資が増加することから、5G、コンソール需要などにより、前年比239%増の9兆2000億ウォン(約848億円)の営業利益の達成が予想される」と展望した。
ド・ヒョヌ同研究員は「第1四半期の営業利益は5000億ウォン(約461億円)で前四半期比104%増加すると推定される」とし、「ITオフシーズンのためDRAMの出荷量は6%減少すると予想されるが、NAND型の出荷量は8%増加すると予想される。在庫縮小と供給量の減少によりDRAM価格は4%上がると予想される」とした。
続いて「最近、世界的にハイパースケールのデータセンター投資が再び増加している。昨年の第4四半期にAMAZON社による機器投資(CAPEX)の規模が前年比43%増加し、フェイスブック社は2020年の機器の投資規模の見通しを昨年より17%高く提示した」として、投資の増加に伴う業績の向上が可能と見込む。