サムスン電子が、システムLSI事業部内に「カスタムSoCチーム」を新設した。韓国電子新聞によると、DS部門傘下のファウンドリ事業部とシステムLSI事業部に共存していた半導体設計支援組織を一元化したという。サムスン電子は昨年、「2030年のシステム半導体1位」のビジョンを発表し、世界的な情報技術(IT)企業を顧客に引き込むために力を入れている。サムスン電子は、新設された組織を介してIT顧客支援と協力を最大化するものと思われる。
同紙によると、サムスン電子DS部門は最近、組織改編により「カスタムSoC」という名のチームを新設した。同チームは、DS部門内でのチップ設計を担当するシステムLSI事業部に所属している。
チームリーダーは、昨年までファウンドリ事業部ファウンドリASICチームで働いていたパク・ジンピョ常務が担当するという。メンバーの規模は30人で、今月末にチーム構成が終わるという。同部門は、外部ITカスタマーがサムスン電子に依頼した半導体設計支援を担当する役割をする。
半導体チップは、複雑な設計プロセスを経て生産される。半導体設計言語(RTL)に基づい青写真を用意し、テスト作業と配線との配置(P&R)の操作を経ることで初めて量産が行われる。サムスン電子は、顧客がチップ設計を一層容易に行うことができるよう、内部人材を活用して緊密にサポートするようだ。ファウンドリの受託生産だけでなく、チップの設計にもかなりの人員を参加させ、製造プロセスをスムーズにするとみられる。
同紙は特に、カスタムSoCチームがシステムLSI事業部とファウンドリ事業両方に存在した設計チームを一元化したという点に注目している。組織改編まではファウンドリ事業部にも、カスタマーのチップ設計を支援する「ファウンドリASIC(オンデマンド半導体)」チームがあった。しかし、今回のリーダーであるパク・ジンピョ常務と同チームは、システムLSI事業部に吸収させ、外部顧客対応システムを簡素化したという。過去における外部顧客の受注戦において社内競争があったことを考慮し組織を一つに統合したものと解釈されている。
業界では、システム半導体の強化を狙うサムスン電子の最大の課題は、大規模IT顧客の確保という点であり、今後カスタムSoCチームの役割が非常に大きくなると予想される。
(写真:サムスンの華城工場=同社提供)