LG化学がディスプレイ用カラーフォトレジスト(PR:Photoresist)事業を中国企業に売却する。LCD事業を整理し、電気自動車バッテリーを中心に事業構造を再編するための措置と見られる。韓国各紙が報じた。
中国の江蘇省のヨケテクノロジー(雅克科技/Yoke Technology)は、子会社であるシヤン・インターナショナル(斯洋国际/ SYOUNG INTERNATIONAL)が25日、LG化学とカラーフォトレジスト事業の売却契約を締結したと26日公示した。
売却金額は580億ウォン(約52億円)で、忠清北道清州(チョンジュ)の生産設備や機器の一部、関連在庫、知的財産権とカラーフォトレジスト技術などが売却される。あとは、韓国と中国政府の承認手続きが残った状態だという。
LG化学は、中国が低価格攻勢を繰り広げるLCD素材部門を再編している。すでにLG化学はLCDガラス基板事業から撤退することを決定しており、今回、カラーフォトレジスト事業部も中国に売却した形だ。
公示資料によると、昨年末基準のLG化学の売却資産額は347億ウォン(約31億円)と評価された。棚卸資産102億ウォン(約9.2億円)、売上債権244億ウォン(約22億円)、知的財産権の1億ウォン(900万円)などだ。同事業は昨年、526億ウォン(約48億円)の売上高、96億ウォン(約8.7億円)の営業利益を記録したようだ。
シヤン・インターナショナルは、LG化学のカラーPR事業の買収を完了後、2億元(31億円)をかけて韓国に新しいカラーPR生産工場を建設するという。 LG化学も生産ラインのセットアップに協力するものと見られる。
ヨケテクノロジーは2016年に、韓国の半導体素材メーカーであるユーピーケミカルを1972億ウォンで買収した。ユーピー社はSKハイニックスの主要フリーカーソル(precursor)サプライヤーだった。
ヨケテクノロジー2018年に15億5000万元(約234億円)の売上、1億6000万元(約253億円)の営業利益を上げている。昨年3四半期末基準で中国国家半導体ファンドが同社の株5.73%を保有した。