SKシルトロン社が、米国デュポン社の「シリコンカーバイド(SiC)ウエハ」事業買収を完了したと、2日、明らかにした。昨年9月に両社理事会で決定後から6ヶ月ぶりだ。買収金額は4億5000万ドルだ。
シリコンカーバイドウェハ(基板)は、電気自動車や第5世代(5G)ネットワーク機器などに入るパワー半導体の製造に使われる必須材料である。シリコンと炭素を高温で加熱して製造した人工化合物である炭化ケイ素で製作し、既存の一般的なシリコンウェハより電力効率に優れたものと評価される。また、高電圧および高温にもよく耐える特性のため、新概念の半導体用ウエハとしても注目されている。
デュポンのシリコンカーバイドウェーハの生産工場は、米国ミシガン州にある。 SKシルトロンはデュポン社の生産設備を継続使用予定だ。
SKシルトロンは、半導体の基礎材料であるウェハの製造企業であり、1983年に設立され、慶北亀尾(クミ)市第3工業団地に位置している。 2018年基準の年間売上は1兆3,462億ウォン(約1265億円)であり、ウェハ製造の5大企業の一角として、全世界のウェハ販売量の約10%を占めている。
SKシルトロンは、これまで一般的なシリコンウェハを作成し、サムスン電子、SKハイニックス、東芝などに供給していた。今回の買収をきっかけに、電力用半導体ウェハ市場で事業の多角化に乗り出すことができるようになった。 SKグループのレベルでもバッテリー(SKイノベーション)と銅箔(SKC)、ウェハ(SKシルトロン)によって電気自動車素材・部品事業の枠組みが整った形だ。
東亜日報によると、現在、シリコンカーバイドウェハを量産することができる会社はデュポンを除けば、ほとんど日本企業だけであるとし、同国への依存度を下げることができると指摘した。
市場調査会社HISマークィットは、シリコンカーバイドウェハをベースにしたパワー半導体市場規模が2025年に52億ドルまで増加すると予想した。
(参考記事:「SKシルトロン社がDGISTとMOU、半導体ウエハ製造におけるスパコン技術で」)