(写真:LGディスプレイの中国広州OLED工場=同社提供)
LGディスプレイの液晶ディスプレイ(LCD)テレビパネルの市場シェアが急落している。聯合ニュースなど韓国各紙が報じた。同社の市場シェアの急落は「脱LCD」を掲げる同社の事業方向が反映された結果でもある。
世界的市場調査会社HISマークイットは、報告書を通じてLGディスプレイの2019年第4四半期のLCDテレビパネルのシェア(14.3%)の順位が第3四半期に対して2段階下落した4位を示したと明らかにした。2019年第3四半期まで、LGディスプレイのLCDシェアは中国のBOE(18.9%)に次ぐ2位であった。しかし、第4四半期には、BOE(17.8%)、台湾のイノルクス(16.0%)、中国のCSOT(14.4%)に次ぐ4位に下落した。一方、サムスンディスプレイのシェアは第3四半期より1%pt下落した9.0%であり、順位は5位のままだった。2020年1月を基準にしても、LGディスプレイのシェアは前年同期比6.4%pt下落した10.8%で、世界シェア4位となった。1位から3位までは、BOE(18.7%)、CSOT(17.4%)、イノルクス(13.9%)が占めた。
大型パネル事業の「脱LCD」と「OLED集中」を進めるLGディスプレイの経営戦略が数値として現れている。実際に、LGディスプレイは先月の公示を通じて、テレビパネルの売上高のなかでOLEDが占める比率が2018年の24%から去年は34%と10%pt増加したことを明らかにしている。さらに、8.5世代OLEDテレビの生産能力は月あたり6万9千枚から7万9千枚に増加している。
しかし、新型コロナウイルスの拡散により、OLED事業への転換に支障が出る可能性も取り沙汰されている。LGディスプレイは、遅れに遅れている中国の広州市に大型OLEDパネルの生産工場量産化を2020年第1四半期に終える方針だ。韓国メディアやアナリストによると、遅くとも第一四半期には稼働されると予想するが、新型コロナウイルスの影響により第二四半期にずれ込むという見方もある。OLEDの量産開始を急ぐため、先日同社は「決死隊」を広州に送り込んだという報道もある。
(参考記事:「LGがOLED広州工場に「決死隊」を派遣。量産開始を急ぐ」)
LGディスプレイは最近、韓国国内でも中・小型パネルモジュール工場の一部を新型コロナウイルスの患者発生により一時閉鎖しており、今後の見通しは不透明だ。
(参考記事:「サムスンの韓国事業所で新型肺炎感染が相次ぐ、LGディスプレイも」)
(参考記事:「[特集]LGの有機ELパネル供給に狂い。五輪商戦を前に不安広がる」)