サムスン支援の浦項大研究陣が次世代半導体素材の低温合成法を開発

韓国の浦項工科大学(POSTECH)は、同大の新素材工学科のソン・ジュンオ教授の研究チームが、500度以上の高温でのみ合成することができた高い結晶性のルチル二酸化チタン(TiO₂)を50〜150度の低温でも作ることができる技術を世界に先駆けて開発したと発表した。同研究は「サムスン電子未来技術育成センター」の支援を受けて行われたという。
研究結果は、16日(英国現地時間)、世界的な学術誌「ネイチャーコミュニケーション」にも掲載されたという。

ルチル二酸化チタンは、高性能DRAMのような次世代デバイス用材料として注目されている誘電物質である。誘電率が高く、小さな電圧でも多くの量の電荷を格納することができる。しかし、合成に非常に高い温度が必要であることから、低温では結晶内部構造の酸素があるべき場所に酸素が不足する欠陥が発生しやすく、優れた性能のデバイスを実装するに足りるだけの均一な品質を得ることが困難であったという。微細プロセスで行われるデバイス作製には材料の均一性が生産歩留まり(収率)に大きな影響を与える。

ソン・ジュンオ教授チームが発見した方法は、比較的低い温度でも、酸素イオンを十分に供給し、酸素欠陥がほとんどない均一な品質のルチル二酸化チタンを得ることができるという。ソン教授チームは、これをベースに、次世代の半導体素子の開発に注力する計画であるとのこと。

ソン教授は「未来技術育成事業の支援を受けて酸化物ヘテロ接合の研究を進めていたところ、このような現象を偶然発見した」とし「列の代わり界面でのイオン移動を通じて酸化物の結晶化が可能であることを示した最初の研究」と語った。

今回の研究は、サムスン電子未来技術育成センターの支援を受けて2017年9月から行われたものであるという。
同センターは、国の未来の科学技術研究支援のため、2013年から10年間で1兆5000億ウォン(約1300億円)を支援している。これまで561件の課題に7189億ウォン(約624億円)の研究費が投入されたとのこと。

(写真:次世代半導体用材料の新しい合成法を開発した浦項工科大のソン・ジュンオ教授研修チーム/サムスン電子提供)

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