韓国のコセス社(KOSES/코세스)がサムスン電子との間で、マイクロLEDリペア装置の追加供給を協議中であるという。同国のソウル経済新聞によると、マイクロLEDの核心装置として挙げられるリペア装置は、コセス社が唯一量産に成功しており、2018年にサムスン電子に供給した経緯があるという。
サムスン電子は今年、マイクロLEDテレビの生産を拡大するための初期設備投資を進める予定であるとされている。同紙によると、コセスの関係者は「過去にサムスン電子にマイクロLEDリペア装置を納品したことはあるが、この件に関しては回答できない」と伝えた。
次世代ディスプレイとして注目されるマイクロLEDは、それぞれのLEDが画素の役割をする完全な自発光ディスプレイだ。より薄く柔軟な素材に適用させられるという長所がある。LCDと比較してエネルギー効率が高く、OLED比30倍以上の明るさを提供する。しかし、超小型LEDチップを付着させるため収率が重要となる。5-100㎛(マイクロメートル・100万分の1m)サイズの超小型OLEDを緻密に配置する生産工程が容易ではないからだ。
こうした中、コセス社のレイザーリペア装置がマイクロLEDの核心装置として浮上している。同紙によると、マイクロLEDの生産には、転写技術(ハンコを押すように転写する技術)が適用され、レイザーリペア装置がディスプレイ製造工程で不良LEDを選別し修理しながら収率を上げる効果があるという。同紙によると、マイクロLED関連のある研究員は、「4Kディスプレイは2,500万個程のマイクロLEDチップが入っているため、不良率が0.01%でも発生した場合、2500個の画素で不良が発生する可能性がある」とし、「100%の収率はありえないため、生産収率を高めるためのリペア装置が必須」と説明したという。
サムスン電子は昨年、米CESにおいて、世界初のモデュール量産型の146インチマイクロLEDテレビ「ザ・ウォール・ラグジュアリー(The Wall Luxury)」を公開した。サムスン電子映像ディスプレイ(VD)ハン・ジョンヒ社長は今年1月、米ラスベガスで開かれたイベントにおいて、75・88・93・110インチの家庭用マイクロLEDテレビ製品群4種を公開し、今年下半期に、欧州、北米、中東などで発売するという目標を掲げた。