(写真:ソニックシステム社のOLED蒸着機=同社ウェブページ)
韓国のソニックシステム社(선익시스템/SUNIC SYSTEM)が、マイクロOLED蒸着機の受注拡大を見込んでいる。23日に開かれた同社の株主総会において、パク・ジェギュ同社代表は、「今年からマイクロ有機発光ダイオード(OLED)蒸着機の本格的受注拡大が続くものと期待している」と述べたという。
韓国メディアによると、パク代表はこの日、京畿道水原で開かれた株主総会の挨拶で「ディスプレイ産業の新成長動力であるマイクロOLEDの蒸着機市場において先導力が認められた」と述べたとのこと。
次世代ディスプレイ技術であるマイクロOLEDは、バックプレーンでシリコンウエハベース相補金属酸化膜半導体(CMOS)プロセスを使用し、画素サイズを小さくする技術である。応答時間がマイクロ秒レベルで短く、画質も良く、バーチャルリアリティ(VR)・拡張現実(AR)の機器に活用できるとされている。
パク代表は「2019年には良い日と悪い日が混在した」とし、「中国の顧客からの量産蒸着機の受注を期待したが、良い結果を得られなかった」と述べた。韓国メディア・ジイレックによると、昨年、同社は、中国のビジョンオックスに対する第6世代蒸着機の営業に尽力したが、日本のキヤノントッキに制されたという。
一方でパク代表は「昨年、小型蒸着機では、市場支配力をさらに確かなものにした」とし「経営効率化に万全を期し、前年比の利益が大きく成長した」と述べた。営業利益は、前年比34.6%上昇した。小型蒸着機は研究開発用製品を検証する際に使用する。世界市場シェア80〜90%を確保したと同社は推定している。
同社の昨年の売上高876億ウォン(約77億円)、営業利益114億ウォン(約10億円)を記録した。売上高は前年比25.7%減少した営業利益は34.6%上昇した。
同社の今年の売上高見通しは、昨年と同様の水準である。会社の売上高の95%がOLED蒸着装置から発生している。
同社の取引先には、サムスン電子やサムスンディスプレイ、LG電子やLGディスプレイに加え、3MやBOE、CSOTなども含まれている。