ポスコケミカルが電気自動車(EV)のバッテリー核心素材確保のために、中国のファユコバルト(Huayou Cobalt/华友钴业)と正極材の原料であるフリーカーソル(前駆体)の長期供給契約を締結した。
(画像:ファユコバルト社のWebページキャプション)
韓国メディアによると、ファユコバルトは、最近ポスコケミカルと前駆体の供給契約を結んだという。契約期間は2022年12月までだ。 7万6300トン規模で、今年1万7850トンが優先供給されるとのこと。具体的な契約金額は伝えられていない。
昨年ポスコケミカルはファユコバルトと正極材の合弁会社である「浙江飽和」と、前駆体の合弁会社である「ファユポスコ(华友浦项)」をそれぞれ設立した。これとは別に大規模の前駆体の供給契約を締結したのは、正極材増設に備えたものとみられる。 2022年までに光陽(クァンヤン)に年算9万トン規模の電気自動車のバッテリー用正極材工場を建設する計画だ。
(参考記事:「ポスコが中国でEVバッテリー前駆体を生産開始」)
ファユコバルトの前駆体は、第2.5世代(GEN2.5)N65(正極材モデル名)ハイニッケルNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)に適用される。 LG化学の電気自動車バッテリー用として活用される見通しだ。ポスコケミカルは今年1月、LG化学と3年間で1兆8533億ウォン規模の正極材の供給契約を結んでいる。
(参考記事:「ポスコがLG化学へのEVバッテリー素材を供給を正式発表。1兆8533憶ウォン規模」)
一部では前駆体の中国への依存度が高くなったという指摘もある。エコプロビーエム社など、韓国の他の正極材メーカーは原料を輸入し独自に前駆体を製造しているとされるが、難易度が高いようだ。前駆体は、電池コストの40%を占める正極材を作るための重要な材料である。ニッケル、コバルト、マンガン、硫化などで構成されている。この前駆体をリチウム化合物と、約1:1で混ぜてNCMのような正極材を生産する。