極紫外線(EUV)微細工程技術が適用された半導体で、市場を主導しているサムスン電子と、EUV露光装備を独占生産しているオランダのASMLとの協力関係が強化されるという見方が出ている。
ASMLが30日に公開した2019年の年例報告書によると、ASML株の大半(31%)はザ•キャピタル•グループ、ブラックロックなど金融投資企業が保有する。 ASMLから露光装備を購入する顧客のうち株を保有するのは、インテル(3%)と、サムスン電子(1.5%)だ。
ASMLは2012年、EUV露光装備の研究開発の資金を得るため、にインテルとサムスン電子、TSMCに自社株を売却した。当時、インテルは15%、TSMCが5%、サムスン電子が3%を取得。技術開発が終わると、TSMCは投資金回収のため、持ち株を全て売却し、インテルもほとんど売却した。
サムスン電子は、ほかの会社とは違って、初めて取得したASMLの持分を半分も残している。 これをめぐり、サムスンがASMLに追加持分投資をしたり、影響力を拡大する余地があるという解釈が出ている。
EUV露光装備はサムスンにとって非常に重要だ。 回路線の幅が狭まるほど半導体の性能と電力効率性は高まり、次世代半導体の開発が容易となる。 現在、EUV露光装備を半導体生産に用いている企業は、サムスン電子とTSMCの2社だけだ。 特にサムスン電子は、EUV工程を適用した世界初の10ナノDRAMを発売し、下半期には同DRAMを本格的に生産する計画だ。
DRAM市場シェア1位(46%)のサムスンがEUV技術をメモリー半導体に拡大したことで、モバイルAPの製作に留まっていたEUV露光装備の使用はさらに増えると見込まれる。
ASMLは米中の対立により、中国のファウンドリー会社であるSMIC社にEUV露光装備を輸出することが困難な状況だ。また、TSMCもファーウェイに協力していることから最近、米国当局から牽制を受けていると言われている。そのため、ASMLとしては、両社との間で生じる機会損失をサムスン電子との取引拡大で補填するだという見方が韓国メディアの間で出ている。
サムスンはこれまでも、重要な取引先に関しては、相手企業の持ち株を増やしたり、サムスン出身者を相手企業の経営陣に参加させたりしており、ASMLとの間でもそのような関係を結ぶ可能性がある。
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