昨年、サムスン電子の設備投資が萎縮したことで、半導体装置の子会社であるセメス(SEMES Co. Ltd)が「直撃弾を受けた」と韓国の経済報道・SBS CNBCが報じた。
同報道によると、「(セメスの)売上高は、半分近く減り、工場の稼働率も大きく落ちたことがわかった」という。
サムスン電子が持分90%以上を保有しているセメスは昨年の事業報告書を最近開示した。同社の昨年の売上高は1兆1300億ウォン(約1000億円)だった。
世界のメモリー半導体市場が好況だった2017年には2兆ウォン(約1800億円)以上の売上を上げたが、この2年で半分の水準になった。営業利益は、同期間に84%急減し、純利益77%低下した。
同報道は「スマートフォンの普及に伴い、世界のPC市場が萎縮し直撃弾を受けた過去2012年以降で最も低い水準だ」と伝えた。
セメスの不振の原因として、同報道は「半導体設備産業は半導体素子メーカーへの依存度が非常に高く、これらの企業の設備投資計画によって実績が左右される。つまり、主要顧客であるサムスン電子とサムスンディスプレイの昨年の設備投資萎縮などによるものと分析される」とした。
サムスン電子の昨年の半導体設備投資額は22兆5600億ウォン(約2兆円)となっており、2年間で5兆ウォン(約4400億円)近く減ったことが影響したようだ。
同報道は「セメスの昨年の工場稼働率は、2012年以降で最も低い42%を記録した。今年の半導体およびディスプレイ市場は5%前後の成長が期待されたが、コロナ19事態で機器メーカーの実績反発も容易ではないと思われる」と結んだ。
セメスは、94年にサムスンと日本のSCREEN社が合弁で立ち上げた韓国DNS社が前身であり、2005年に現在のセメスに社名を変えた。2010年にはサムスン側がSCREEN社が持つセメスの株をすべて受け入れた。
(写真:セメスのエッチング装置=同社Webページ)
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