コロナでASML装置搬出難航。サムスンには痛手か?

半導体

コロナでASML装置搬出難航。サムスンには痛手か?

 
極紫外線(EUV)露光装置を独占生産するオランダのASMLが、新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の拡散で装置の搬出に困難を来たしており、TSMCとサムスンのシェア争いにも影響するとの見方が出ている。

ASMLは最近、第1•4四半期の売上高を24~25億ユーロとした。当初の予想売上高の31~33億ユーロに比べて20%以上減少した数値だ。 ASML側は「半導体装置の需要は依然として強いが、コロナ19による各国の入国制限などで装置の出荷が困難となっており、売り上げの見通しを引き下げた」と明らかにしているという。
韓国のソウル経済紙によると、ASMLのEUV装置は1台当たり1、500億ウォン(約44億5千万円)を超え、装備セットのためには現地に常駐する駐在員の他にも本社人材の派遣が必須であると指摘。 ASMLの米サンディエゴ法人が、AMSL売り上げの半分以上を担当するDUV(Deep Ultraviolet)をはじめ、新規収益源であるEUV関連の光源開発や製造などを担当しており、オランダのベルトホーフェンにある本社ではEUV装置などを生産しているが、米国とオランダではコロナ19の拡散で労働力移動や物流流通などに困難を強いられていると伝えている。

ASMLの装置の出荷遅延を受け、各メーカーもロードマップ調整に乗り出している。台湾のTSMCは3ナノ級半導体の試験生産日程を6月から10月に先送りする案を検討中であるとされる。 TSMCは今月、北米技術シンポジウムで3ナノ技術などを公開する予定だったが、コロナ19の拡散の影響で、該当行事を8月に延期した。 サムスン電子は年内に5ナノ基盤半導体の量産に乗り出す予定だったが、コロナ19による装備搬入などの問題で量産日程に支障を来たすのは必至であると、ソウル経済紙は予想する。

同紙は、TSMCよりサムスン電子の痛手がより大きいと指摘。TSMCは今年2•4四半期中に5ナノ基盤の工程を土台にアップル、クォルコム、ファーウェイ、AMDなどが委託した半導体を生産できるが、サムスン側はまだ5ナノ基盤製品の量産日程を具体的に提示できていない点などを理由として挙げている。

サムスン電子は「ビジョン2030」を通じて2030年にファウンドリーをはじめとするシステム半導体市場でシェア1位を目指しているが、TSMCとのファウンドリーシェアの格差はむしろ広がっている。 市場調査機関のトレンドフォースによると、今年第一•4四半期のTSMCのファウンドリーシェアは直前四半期比1.4%ポイント増の54.1%を記録したが、サムスン電子は1.9%ポイント下落した15.9%だった。微細工程競争で遅れを取れば、アップル、クォルコムなどIT業界を主導している企業の半導体物量の受注が事実上不可能になる。
 
(参考記事:「米ファブレスの韓台二元化で韓国ファウンドリ業界に特需か?」)
 
 


 
 
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