サムスンのQ1実績発表後に話されたこと

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サムスンのQ1実績発表後に話されたこと

去る29日、サムスン電子は第一四半期(Q1)の実績を発表した。
(参考記事:「サムスンSDIがQ1実績発表 市場予想上回る利益 」)
本記事は、同発表後に行われたカンファレンスコールで交わされた質疑応答についてまとめたものである。質疑応答は、企業の置かれている状況や文脈などが公式発表に比べ浮かびやすい。読者の参考になれば幸甚である。(※重複や重要ではないと判断した質問事項については除外した。また、可読性を高めるため一部意訳がある)
 


 
Q.(メモリに関して)年初からデータセンターの需要が依然として強いが、どのような要因か?

→A:サーバーは、前期にも在庫確保のための需要が一部あった。オンラインショッピングやビデオ会議、ゲームなど「Stay at home economy」の活性化によるデータセンターを中心とした需要が堅調だった。
サーバーの需要が今後も堅調に推移するかは、新型コロナウイルスの推移とデータセンターの設備投資計画により変動すると考えている。オンラインプラットフォームの需要が多様であるだけに、クラウドサービスを中心に引き続き堅調なサーバー需要があると予測している。
中長期に視野を広げてみると、「非対面経済」が活性化され、オンライン空間を活用した余暇や教育活動のように、未来型の風景が日常化している。中長期でみて、信頼性の高いサービスのためのオンラインインフラに対する顧客の需要は、より速く成長すると予想する。それに伴い、サーバー需要も持続することを期待する。

 
 
Q. 紫光集団(YMTC)がNAND型市場への進出を本格化している。危機と感じているか?どのように格差を維持するつもりか?

→A:中国サプライヤーのメモリ市場参入についてはメディアの報道などを通じて広がっていると把握している。最近は、顧客が要求する難度が急速に上昇している。大容量、高品質、低消費電力などが非常に重要になっているので、単純な量産時期より、これらの顧客の需要を満たすことができる高付加価値製品をどのように安定的に供給するかがより重要であると考えている。
それでも、中国企業のメモリ市場参入は、市場の重要な変更モメンタムとして我々は捉えており、注意を払っている。サムスンは継続的に高品質、高性能な製品の優位性を拡大し、先端プロセスの切り替えを拡大するために、最高の優先順位を置いている。
そしてEUVNおケースのように先制的・積極的に技術革新を追求し、新規および既存の顧客をサポートし、Win-Winの関係を強化するものである。 IT産業全般の成長を図って市場でのリーダーシップを強化するものである。

 
 
Q.最近ASMLの露光装置のセットアップが遅れたようだ。サムスン電子は最新EUV工程の増設を多く準備しているが、どのような影響があるか言?

→A:コロナによる不確実性により装備原材料の調達に支障が一部発生する恐れはある。しかし、市場の状況や顧客の需要を綿密に分析し目標スケジュールどおり増設進め、顧客の需要に支障なく対応する予定だ。

 
 
Q.顧客の在庫過剰による(メモリの)急激な価格下落の可能性について聞きたい。

→A:顧客の在庫水準は具体的な数字での回答が難しいが、顧客の大幅な在庫調整があった2018年末と比較すると低い水準であると考えている。
ただし、過去数回の実績でも発表したように、昨年下半期から増えたサーバーの需要は再び在庫を確保するための要求(動機)も一定部分を含まれていると思われる。今期堅調だった需要も下半期の不確実性に備えた在庫確保のための需要が存在していると見ている。
在庫について申し上げると、NANDの在庫は、過去2019年末に正常化し、今もその水準を維持している。DERAMは第2四半期に通常のレベルになる予定だ。

多くの方々がサーバー顧客の在庫縮小や調整の状況で発生する急激な価格変動について大きな関心を持っているようだ。最近の数分期、在庫確保のための需要が持続したことは事実である。しかし、まだ在庫調整が始まるには、顧客の在庫水準が低いと思われる。現在、非常に安定的に運営されており、当時とは大きな差がある状況である。なので、2018年末のような急激な在庫調整に伴う大幅な価格下落が発生する可能性は限定的と考えている。

 
 
Q.中国は状況が良くなっているのに対し、他の国家との間で移動に制限がある。下半期の中国工場(西安・メモリ)でのランプアップ計画に支障あるか聞きたい。西安工場の現在のランプアップ現状と下半期の見通しについてどのように思うか。今年のNANDの設備投資についても聞きたい。

→A:西安の第2期量産については、既存の計画に合わせランプアップしている。需要の見通しに応じて弾力的に対応する予定だ。市場の不確実性が非常に高い状況なので、投資の問い合わせが多い。私たちは、既存の投資基調に沿って最適な投資を行うという原則を持っている。なので、コロナによる市場環境の変化に対して、事態の長期化だけでなく、早期終息の場合も含め、さまざまなシナリオ分析している。綿密に分析し、現在不確実な状況に弾力的に対応していく。

 
 
Q.今年は技術の進化が大幅に遅れそうな状況だ。 EUVベース1zナノは計画通りに推進するようだが、投資コスト比での初期コスト削減が難しいなかで、EUV導入に積極的な背景が何なのか気になる(それと)システムLSI事業と関連して、イメージセンサーについて質問がある。スマートフォン市場が不振なので、供給過剰になる可能性があるのではないか。今後の需給見通しを教えてほしい。

→A:世代の移行とEUVの導入について、個別に回答する。工程の切り替えに関しては、当社は、計画に基づいてプロセスの切り替え(移行)を進めている。クォール過程でかかる時間が以前より長くなるとの印象を持たれるかもしれない。 DRAM製品の世代転換が過去と異なり、以前の運用先を対象に同時的に工程転換が進むのではなく、応用別・顧客別の状況を考慮して工程の切り替えが行われるためであると理解してほしい。

そして、EUV導入に関しては、弊社は技術をリードする企業であり、半導体微細工程の限界を克服するという次元で(取り組んでいると)理解して頂けたらと思う。我々まず、独自の分析により、14ナノ以下に工程が微細化される場合、EUV導入が効果的であると判断した。そして最近は、EUV設備が成熟したことも事実だが、EUVを適用して生産を進める過程で、予期しない問題が出てくる可能性もある。 EUV生産性向上のために、高感度、高性能フォトレジストを開発しなければならなど、様々な部分で考慮すべき点が多数あり、このような点から、EUVの開発と適用時点について継続的に検討してきた。

継続的な研究の検討結果と、ファウンドリ事業部による量産過程で積み上げたノウハウに基づいて、3月にマスコミを通じても申し上げたように、最近EUV工程を適用したD1XベースDDR4 Dモジュールを100万個以上供給している。グローバルの顧客評価も完了している。そのようにして、現在のEUV工程の量産システムを備えるに至った。現在、弊社は、EUVをD1Z工程においても一部適用中だが、1ナノ前半のD1A DRAMから一部適用することで、技術的なリーダーシップを強化する計画である。

 
 
Q.中国の部品供給の遅れやインド工場のシャットダウンなどでスマートフォンの生産支障懸念が引き続き発生している。これに対する説明と今後の生産拠点ロックダウン時の対応策について話をお聞きしたい。

→A:コロナ拡散初期には、中国から供給される一部の材料で一時的な需給問題が発生したが、基本的に主要部品は二元化して管理しているので、難しい状況でも比較的柔軟に対応することができた。
生産拠点に関しては、ブラジルの工場は再稼働を開始し、現在安定しているが、インドの工場はロックダウンが延長され、5月3日以降に生産が再開される予定だ。グローバル生産拠点を積極的に活用し、特定の国でロックダウンが施行されても、その生産量を他の地域に移管するなど、供給支障を最小限に抑えることができように弾力的に対応している。また、何よりも従業員の健康と地域社会の感染予防を重要と考え、生産設備の防疫管理と予防措置を徹底しており、今後も継続して努力する。
 

 
Q.最近、中低価格市場においてアップルが「iPhoneSE」を399ドルで販売する。中国企業も新モデル発売などで競争がとても激しくなるようだ。中・低価格の戦略について教えてほしい。

→A:様々な価格帯で、革新的な体験を提供するために、AシリーズとMシリーズにも様々な新技術を迅速に適用して製品競争力を高め、価格帯別のポートフォリオを強化してきた。
今年は5G時代を迎え、動画、ゲームなどのマルチメディアとソーシャルネットワークの経験をより豊かに楽しむことができるように大画面とマルチカメラ、高画質セルピ、大容量バッテリーを搭載した中低価格5G新モデルを持続披露する計画だ。これにより、多様な顧客ニーズを満たすために、選択の幅を広げて中低価格モデルの販売をさらに拡大していくようにする。

 
 
Q.中国は政府主導で、(ネットワーク)基地局への投資を早めている。一方で、米国や欧州の通信事業者は少し遅れているようだ。サムスン電子が把握している地域別の導入状況があれば教えてほしい。

→A:地域別5G導入計画については、おっしゃるとおり、中国は内需浮揚のため5G(基地局の)構築を加速させている。米国とインドは、コロナによるロックダウンにより基地局設置と5G周波数オークションのスケジュールが遅れている。欧州もまた、周波数オークションと商用スケジュールの遅れが予想される。日本は、東京オリンピックが延期されたが、既存5G展開のスケジュールは遵守するものと見られる。
今年上半期は韓国内取引先の5G全国網の拡大が続いており、海外の主要取引先の5G本格商用化も行われている。ただしコロナの影響が拡大・長期化する場合、国内外の取引先の投資が遅れる可能性があり、長期化の際の事業にマイナスの影響が予想される。

 
 
Q.(ディスプレイ)LCD事業の早期撤退決定と関連し、今後QDと次世代ディスプレイ事業を拡大するというが見解を聞きたい。国内外のLCD工場売却の現状と政府の承認状況についても聞きたい。

→A:LCD事業撤退とQDディスプレイの事業化と関連して、弊社がLCDパネルの生産を段階的に縮小することは事実だ。しかし、これは必ずしもQDディスプレイ事業を早期に拡大することを意味するものではない。 QDディスプレイの事業化は、既存の計画スケジュールどおりに進行する予定であり、本格的な事業化までは、製品競争力の向上と量産性の確保を継続する。現在、主なセットメーカーと製品化のために協力しており、弊社は適時の市場参入と安定取引先基盤を確保するため努力する。

LCD事業は、事業を縮小しながら、顧客対応などで支障がないように準備を徹底する計画だ。牙山(アサン)LCDラインは、QDなどの新製品と新技術ディスプレイに切り替える計画だ。中国の蘇州工場は、現在いくつかの案を持って対応策を検討している。これらの案が決定されると、適法手続きを経てライン処理を進める計画である。

 
 
Q.サムスンディスプレイLCD出口戦略に伴う今後VDのLCDパネル代替供給案と、パネルの外部供給拡大に伴うリスクについて聞きたい。

→A:供給先の多様化のため、複数のパネルメーカーとの取引を拡大してきた。特定のベンダーに偏らず、バランスの取れた取引関係を維持している。いくつかのメーカーとは長期的な協力関係を通じて信頼性の高い取引を運営しており、LCDパネルの需給に問題はない。

 
 
Q.TVに関連して、東京オリンピックなどの大型スポーツイベントのキャンセルまたは延期により、第2四半期のTVの需要が悪化するようだが、新製品の発売に支障が発生する可能性はないか?あるいは後半に(需要が)反発する可能性はあるか?

→A:全世界的に、第2四半期の需要は減少すると予想されており、これにより、販売計画の調整が避けられない状況である。国別の状況に合わせて新モデルの本格販売時点を調整しており、プロモーション計画とマーケティング投資も見直しながら、効率的な新モデル運営を進めている。下半期については、全世界的にコロナの影響が残る見通しであり、実体経済への負の影響が拡大するため、市場の需要が回復するかどうかを正確に見通せない。したがって、市場の状況のリスクマネジメントに集中し、同時にコロナ以降に事業を正常化するために、そのような計画を事前に徹底的に準備して、市場の変化に先制対応する。

 
 

翻訳・構成:イ・ダリョン=編集長

 
 
 
 


 
 
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