海外でLG電子のOLED(有機EL)TVの引き合いが増えているという。
韓国経済新聞は2日、新型コロナウイルスの拡散による在宅需要の増加で、「今月正式発売されるLG電子の48インチ製品は、狭い家が多いヨーロッパと日本の販売代理店を中心に物量争奪戦が激しい」と報じた。
同紙は、48インチ以外のサイズでも需要が多いという、LG電子関係者のコメントも紹介した。
OLED TVについては、オリンピックなど主要スポーツ大会の延期に伴い、需要の委縮可能性も予想されていたが、韓国経済新聞の取材では異なる結果が示されているようだ。
同紙によると、英国最大の家電小売業者であるディクソンは、先月初めからホームページを通じて、LG電子の48インチOLED TVの予約販売を行い、特典などを付与。同紙は「ディクソンが異例のマーケティングに乗り出したのは、スタンバイ(在宅)需要を先取りするためだ」とし、「購入顧客を事前に確保すれば、LG電子から物量を優先的に割り当てられ有利であると判断」されたものとの見方を示した。
市場調査会社オムディアによると、今年第1四半期の世界市場に出荷されたTV数量は4300万台であり、昨年の同じ期間に比べて16.4%減少した。しかし、サムスン電子とLG電子の出荷量はむしろ2.6%増加した。
一方で、OLED TVの引き合いが増すもう一つの要因として、同紙は「パネルの供給が十分ではないからだ」であると指摘。 OLED TVに使用される大型OLEDパネルを供給できるのは現在のところLGディスプレイだけだが、同社の中国広州にあるOLED工場がいまだ量産を開始できておらず、そのことがOLEDの希少性を高めているという見立てだ。
ただし、広州工場に関しては、量産開始が秒読みという報道が韓国メディアで出ていることから、OLEDの需給逼迫は徐々に緩和されると予想される。
(参考記事:「LGDの広州OLED工場「品質認証をクリア…量産準備整う」と韓国紙」)
(参考記事:「[特集]LGの有機ELパネル供給に狂い。五輪商戦を前に不安広がる」)