[特集]PS5公開で韓国NAND各社に利益…記憶装置にSSD採用で

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[特集]PS5公開で韓国NAND各社に利益…記憶装置にSSD採用で

人気家庭用ゲーム機・プレイステーションの最新版となる「Play station 5」(PS5)が公開された。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は12日、次世代ゲーム機PS5に関する映像イベントを開催し、PS5専用のゲームタイトルとPS5の機種デザインを発表した。

サイズや価格、仕様などについては発表されていないが、かなりの高スペックになるとみられる。IT系メディアであるImpress watch(15日)は、「PS5では、PS4世代よりもさらにパワフルなプロセッサーが使われる。PCでいえば、大柄なデスクトップ型ゲーミングPCに匹敵するものだ。PS5のプロセッサーは、CPU的にもGPU的にも、最新の世代になる」と予想した。

続けて、「PS5ではストレージがSSDになる」と伝えた。これについては、PS5のオフィシャルサイトにおいても「超高速SSDにより読み込み速度が飛躍的に向上」との文言が記されており、間違いないようだ。PS4ではHDDが使用されていた。
 

(画像:PS5オフィシャルサイトキャプション/SSDの使用について書かれている)

 
SSDは周知とおり、NANDフラッシュを利用したデータ記憶装置であり、HDDよりも高価ではあるが読み込みスピードが速いとされる。より高機能・高グラフィックのゲームをプレイするには、データのローディングスピードも高機能が求められる。

ちなみに、PS5と同じ時期に発売される予定の「Xbox Series X」(Xbox SX)にもSSDが搭載されると予想されている。そのことからNANDフラッシュを生産するサムスンとSKハイニクスが少なくない利益を得るとの予想が韓国メディアや証券業界などで浮上している。

市場調査機関DRAMエクスチェンジによると、今年第一四半期のNANDフラッシュ市場はサムスン電子が全体の33.3%を占め1位、SKハイニクスが10.7%を占め5位となっている。両社合わせて44%と、市場全体の半分近い数を握る。

もちろん、同市場2位で19%のシェアを握る日本のキオクシアや、3位と4位と6位を占める米国勢もいる。韓国のアイニュース(15日)によると、メーカーが「短期間にSSDの生産量を追加で増やすには限界がある」とし、複数のメーカーが供給することになるとの見方を示した。

SSDの予想発注数量について、ユアンタ証券のイ・ジェユン研究員は、「今年下半期にPS5は500万台、Xbox SXは200万台の生産が予想され、SSDの容量は800GB〜1TBに達する」とし、「スマートフォン一台あたりNANDフラッシュ搭載容量が平均81GBレベルであることと比較すると、ゲームコンソールの新製品700万台は、スマートフォン7千万台の増加効果と解釈される」と述べたという。

朝鮮日報(16日)などは、このことから、サムスン電子とSKハイニクスの売上が増えることを報じつつ、特にSKハイニクスについて、そのメリットを強調。同紙は、「SKハイニクスはサムスン電子に続き(メモリ市場シェアで)トップ2ではあるが、DRAMとは異なり、NANDフラッシュでは苦戦してきた」とし、「根本的な理由は、SKハイニクスが既存の伝統的な強者であるサムスンやキオクシア、マイクロンなどに比べて、NANDフラッシュ市場への参入が遅れたためである」と説明した。

その上で、証券会社予想などを引用しながら、「その間、赤字状態が続いていたSKハイニクスのNAND事業部が速ければ今年下半期中に黒字に転換する」と予想した。

ちなみにPS4は全世界で累計約1億台が売れたとされており、PS5(およびXbox SX)の今後の人気次第ではさらにSSDの需要が増すことになる。
 

(画像:Xbox SX=Xbox live)

新型コロナウイルスの影響から、多くの調査会社やメディアが「在宅需要」の増加と、それに伴うパソコンやゲーム機の供給増加、そしてそれら製品に入るメモリ半導体やSSDの売上増加を予想した。そこに人気ゲーム機が相次いで投入されることは、NAND各社には嬉しい悲鳴となるだろう。

ただし、PS5など家庭用ゲーム機も無双ではない。5Gという高速通信時代の到来で、Googleといったクラウドゲーム勢から挑戦状を叩きつけられるからだ。

日本経済新聞は12日、「これまで高精細なゲームを楽しむには、専用機やゲーム向けパソコンなど、高い処理能力を搭載したハードウェアが必要だった」としつつ、「だがクラウドゲームは、専用機器がなくてもゲームができる。高速で大容量の5Gが普及すれば、スマートフォンやノートパソコンでも高品質のゲームを楽しみやすくなるとみられている」と分析し、PS5の行く末を危惧した。ゲーム業界は「ゲームチェンジ」の可能性に直面しているのだ。

一方で、同紙が「サーバーとの大量のデータのやり取りが発生する」とも指摘しているように、クラウドゲームのプレイ時にハードウェアは必要ないが、運営側はサーバーセンターを整備しなければならない。サーバーセンターを整備するには、これまたSSDなどが必要となる。ゲームチェンジの行く末に関わらず、NAND各社は「勝利」が確定している。
 
(アイキャッチ画像:PS5オフィシャルサイトキャプション)
 
 

執筆:イ・ダリョン=編集長

 
 
 


 
 
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