KAIST「量子ドットのパターニングプリント技術開発に成功」と発表

ディスプレイ 研究開発

KAIST「量子ドットのパターニングプリント技術開発に成功」と発表

KAIST(韓国科学技術院)は6日、新素材工学科ジョン・ヨンシク教授とジョン・ドギョン名誉教授による共同研究チームが、量子ドットLED(QLED/QD OLED)ベースのディスプレイ実現において重要技術となるフルカラー(赤・緑・青)量子ドットパターニングプリンティング技術の開発に成功したと明らかにした。

(※編集者注:サムスン電子の「QLEDディスプレイ」はLCD基盤のディスプレイあり、本研究が指すQLED(QD-OLED)とは技術的に異なるものである)

量子ドットは、別途装置がなくても、サイズや電圧に応じて、自ら様々な光を発することができる、ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリメートル)サイズの半導体粒子である。

同研究チームは、フルカラー量子ドット配列の解像度を最大14,000ppi(インチあたりのピクセル数)まで実装することに成功した。この解像度は、現在8Kディスプレイの解像度である117ppiの約100倍に達する。研究チームはまた、既存の量子ドットナノパターンの実装方法とは原理が異なる超低圧転写印刷方法を世界で初めて開発し、パターンの解像度と印刷の収率および量子ドット発光素子の性能を最大限にすることにも成功したという。
 
(参考記事:「[特集] サムスンの次世代ディスプレイの研究 (上)」)
(参考記事:「[特集] サムスンの次世代ディスプレイの研究 (下)」)
(参考記事:「浦項工大など「QD-OLED素材の生成原理の解明」と発表」)
 
昨年10月、サムスンディスプレイが量子ドットによる次世代ディスプレイの量産ラインの構築に着手し、技術開発に2025年まで約13兆ウォン規模の投資計画を発表するなど、量子ドット素材がディスプレイの核心素材として浮上している。しかし、量子ドット素材は、OLEDの発光素材とは異なり、溶媒に溶解し分散された形で存在するため、従来のディスプレイパターニング技術を適用することが難しかった。これを解決するため、インクジェット印刷やリソグラフィのような工程を適用するが、量産性や解像度の点で支障があったという。

同研究チームは、このような問題を解決するため、量子ドットの溶媒成分を微調整し、数ナノメートルから数千ナノメートル級の鋳型に自ら選択的に組立する原理に着目し、適用したという。また、組立した量子ドット微細パターンを分離した後、超低圧方式で印刷する技術を開発し、フルカラーナノメートル級のパターンを100%に達する収率で実装した。特にQLEDの量子ドットパターンは、非常に薄く、外部の圧力に非常に敏感なので、超低圧転写印刷技術を活用することで、パターンの損傷を防止したという。その結果、QLED素子の性能が従来の転写印刷方式に比べ、約7倍に増加する結果が確認されたという。

研究チームの関係者は「今回の研究結果を活用すると、赤・緑・青の量子ドットピクセルが個別に発光する超高解像度の次世代のアクティブ量子ドットLED(Active Matrix QLED)ディスプレイの実装も可能になる」と予想した。

ジョン・ヨンシク教授は、特に、「単一量子ドットのサイズを有する極限解像度レベルのパターンも実装が可能であり、次世代ディスプレイ分野だけでなく、高い感度を有するセンサーや光学素子への応用まで期待できる」と述べた。

同研究は、国際学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」6月16日付けオンライン版に掲載されたとのこと。 (論文名:Thermodynamic-driven polychromatic quantum dot patterning for light-emitting diodes beyond eye-limiting resolution)
 
(画像:KAIST提供)
 


 
 
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