ソウル大「長寿命のLED開発」と発表…次世代ディスプレイ素材として注目

ディスプレイ 研究開発

ソウル大「長寿命のLED開発」と発表…次世代ディスプレイ素材として注目

ソウル大学は7日、材料工学部のイ・テウ教授の研究チームが、次世代ディスプレイ素材で脚光を浴びる発光ダイオード(LED)を開発したと発表した。

3D-2Dハイブリッドペロブスカイト材料を発光体に適用し、従来の30分に過ぎなかった寿命を13時間以上に伸ばしたという。

有機発光ダイオード(OLED)の次を担う次世代発光ダイオード(LED)の研究開発が活発に進められている。ペロブスカイプログラムは、最も有望な発光材料の一つであるとされ、既存の発光材料に比べ低コストでの生産が可能であり、高い色純度を有し、色表現にも優れていることか、次世代ディスプレイ素材として産業界から大きく注目されているという。

ペロブスカイトLEDは、関連する研究の最初の発表以来、5年という短い期間で、リン光OLEDや量子ドット発光ダイオード(QDLED)と同水準の効率が報告されたという。しかし、3次元ペロブスカイトLEDは寿命が短いことが課題であった。
 
(参考記事:「浦項工大など「QD-OLED素材の生成原理の解明」と発表」)
(参考記事:「韓国研究財団「付箋のように剥がし、折り、切れるLED開発」と発表」)
(参考記事:「サムスンと成均館大「マイクロLED集積度を20倍向上させる接着剤開発」」)
 
ペロブスカイプログラムは、基本的に、有機分子、金属およびハロゲン元素で構成され、一般的に3次元構造の格子配列を持つ半導体材料である。この素材は、電気エネルギーを光エネルギーに変換することができる特性のため、LEDの発光体として適用することができる。

イ教授チームは、3次元ペロブスカイトLEDの寿命が短い原因は、ペロブスカイト格子内の有機分子(メチルアンモニウム)の高回転自由度にあると指摘。併せて、これは発光体の欠陥の形成とイオン欠陥移動(イオンマイグレーション)を加速させるため、ペロブスカイトLEDの寿命を短くさせる要素であると発表したという。

この問題を克服するために、イ教授チームは、3次元ペロブスカイト前駆体に中性分子(ベンジルアミン)を添加することにより、有機分子間の水素イオン(H +)交換を誘導し、3次元と2次元ペロブスカイトが共存する3D-2Dハイブリッドペロブスカイト発光体を開発したとのこと。

3D-2Dハイブリッドペロブスカイト格子内に新たに導入された有機分子(ベンジルアンモニウム)は、既存の有機分子(メチルアンモニウム)に比べてはるかに低い回転自由度を持つため、欠陥の形成を抑制し、欠陥密度を減少させることができだけでなく、イオンの移行現象を効果的に抑制することができるという。

また、イ教授チームは、ペロブスカイトLEDの寿命において致命的となっていた「動作中の発光オーバーシュート」現象をイオン移行現象と関連付け、これを定量化することにより、ペロブスカイトLEDの寿命を評価するための新たな尺度を提示した。

このような効果をもとに、13時間以上の動作が可能なLED素子の結果が見られたという。これは、既存の約30分の寿命を維持する3次元ペロブスカイトLEDに比べ、大幅に改善された結果であるという。

イ教授は、「ペロブスカイト発光体の次元調節を通じてペロブスカイトLEDの寿命を大幅に延ばすことができる方法を提示した」とし、「この研究がペロブスカイト光素子の寿命増加のためのガイドラインとなり、さらにペロブスカイトLEDが次世代ディスプレイとして商用化に一歩近づくことを期待したい」と付け加えた。

本研究成果は、その重要性を認められ、世界的に著名な国際学術誌「ネイチャー通信(Nature Communications)」に、7月6日付でオンライン掲載された。
 
(画像:ソウル大学提供)
 


 
 
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