サムスン未来育成事業、半導体や量子コンピューティングに支援

半導体 研究開発

サムスン未来育成事業、半導体や量子コンピューティングに支援

サムスン電子は、「サムスンの未来技術育成事業」として支援する今年の研究テーマ12件について発表した。

同育成事業はサムスン電子が2014年から未来科学技術分野の発展のために選定・支援する事業だ。
 
(参考記事:「UNIST教授、メモリー微細化0.5ナノを実現化する理論をサイエンス誌に発表」)
(参考記事:「サムスンのR&D、昨年20兆ウォン超えで過去最大」)
(参考記事:「サムスン支援の浦項大研究陣が次世代半導体素材の低温合成法を開発」)

今年は△革新的な(Disruptive)半導体構造と実装技術△難病治療のための細胞治療剤△量子コンピューティングの実用化のための基盤技術など6つの分野で合計12件の研究課題が選定され、123.5億ウォン(約11億円)の研究費が支援される予定あるという。

「革新的な半導体構造と実装技術」分野では、△電子を利用した新しいエッチング技術(漢陽大ジョン・ジンウク教授)、△半導体素子を垂直に積み上げ密度を高める技術(仁荷大チェ・リノ教授)など、半導体微細化の限界を突破するための課題3件が選ばれた。

「難病治療のための細胞治療剤」分野では、△アルツハイマー細胞治療剤専用の評価モデルの開発(延世大チョ・スンウ教授)、△特定電磁波に反応する遺伝子スイッチの研究(東国大・キム・ジョンピル教授)など4件の課題が選ばれた。

「量子コンピューティングの実用化のための基盤技術」の分野では、量子コンピューティング環境において機械学習、認識アルゴリズム補正などに適用することができる技術の開発を目的とする「NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum、ノイズがある中間形態量子コンピューティング)機械学習と両者エラー緩和源泉技術」(KAISTイ・ジュング教授)の課題が選ばれた。

このほか「次世代自発光ディスプレイ」、「次世代実感メディアデバイスと処理技術」、「B5G&6G通信(Communication)」の分野でも4件の課題が選ばれた。

□2013年から601件の研究課題に総7,713億ウォンの研究費執行

「サムスン未来技術育成事業」は、サムスン電子が2013年から1兆5千億ウォン(約1350億円=現在レート)を投じ、サムスン未来技術育成財団(基礎科学)とサムスン電子未来技術育成センター(素材、ICT)の設立を通じて、未来の科学技術を育成・支援を行ってきたプログラムである。

毎年、上・下半期にそれぞれ基礎科学、素材、ICT分野において支援課題を選定し、1年に一度実施する「指定テーマの課題公募」を通じて国家的に必要な将来の技術分野を指定し、その研究を支援している。

サムスン電子は、今回発表した研究課題を含めて、これまで基礎科学分野201件、素材分野199件、ICT分野201件、計601件の研究課題に7,713億ウォンの研究費を執行した。

サムスン未来技術育成事業の支援を受けた研究者の成果も相次いでいる。これまでの国際学術誌に1,241件の論文が掲載され、特にサイエンス(5件)、ネイチャー(2件)などトップレベルの国際学術誌に紹介された論文は93件に達したという。

特に、サムスン未来技術育成事業は、韓国の主力産業である半導体・ディスプレイ関連の研究に加え、生理学や数理科学など、様々な基礎科学分野にも幅広いサポートをしており、具体的な成果も現れているとのこと。

KAISTソン・ジョンオ教授の研究チームは、各種の成人病の原因として知られている過剰な塩分摂取量を制御することができるメカニズムを究明することに成功しており、その成果は「ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)」に掲載された。

また、高等科学院キム・サンヒョン教授の研究チームが行った計算展開可能な多様体の数学的性質に関する研究結果は、数理科学分野のトップレベルの学術誌である「インベンショネスマセマティックス(Inventiones Mathematicae)」で紹介されるなど、韓国の基礎科学の基盤を強固にしていると、サムスン電子は説明した。


 
 
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