[特集]スマホのカバーウインドウ素材、プラスチックとガラスの変遷

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[特集]スマホのカバーウインドウ素材、プラスチックとガラスの変遷

今年2月に発売されたサムスンのフォルダブルフォン「Galaxy Z flip」はガラス(UTG)がカバーウインドウの素材として使用され、その品質や供給社などをめぐって内外メディアが関心を持って報じた。来月5日に発表されると報じられているサムスンの次期フォルダブルフォンについてもUTGが有力であると伝えられる。一方で、昨年はじめて発売されたフォルダブルフォン「Galaxy Fold」はプラスチック(CPI)素材が使用された。

(参考記事:「「サムスンが下半期にフォルダブルフォン2機種投入」と韓国紙」)

カバーウインドウの素材をめぐっては、ガラスとプラスチックの両素材をめぐって変遷があることがわかっている。サムスンディスプレイの公開資料などを基に、その変遷について見てみよう。

 
カバーウインドウとは?

「ディスプレイカバーウィンドウ(以下、カバーウインドウ)」は、ディスプレイパネルの画面部を外部から保護する役割をする。カバーウインドウは、消費者がスマートフォン購入時に追加で貼る保護フィルムや保護ガラスとは異なり、製品生産時に付着されて出荷される。カバーウインドウは、ほとんどのディスプレイ装置に使用されている。

スマートフォン以前のフィーチャーフォン時代にも使用されていた。当時使われていた素材はプラスチックだ。しかし、スマートフォンの登場によって、ディスプレイパネルが大画面化したことで、カバーウインドウのサイズも、それに合わせて大きくなるなか、求められる素材にも変化が出た。
 

 

プラスチックからガラスへ

これに加え、ガラス(Glass)が有する審美性や高級感から、既存のカバーウインドウ市場を占有していたプラスチックに代わり、カバーウインドウはガラス素材がメインになった。ガラスはプラスチックよりも割れやすく重いという欠点はあるが、タッチパネルが普遍化するなか、スクラッチに強いというガラス素材の強みが勝った形だ。

サムスンディスプレイによると、ガラスウインドウは、平らなガラス板の形状(2D)から、デザイン性の向上のため境界線が緩やかに屈曲した2.5Dガラスに、そしてGALAXY Edgeシリーズのようなカーブ・ド・タイプの3Dガラスへと進化して行ったという。
 

 

ガラスウインドウの主な生産過程

ガラスウインドウは、まずガラスメーカーから「マザーガラス」と呼ばれる大きなガラス板を供給される所から始まる。ガラスウインドウは、スマートフォンの薄膜化と軽量化のために1mmよりも更に薄い厚さにしなければならない。そのため、マザーガラスの段階ですでに非常に薄い厚さの状態で供給される。

サムスンディスプレイによると、マザーガラスが納品されると、スマートフォンのディスプレイに合ったサイズに細かく裁断を行う。そして、カメラのレンズや受話部分、ホームボタンなどを配置するために必要な穴を空ける加工をCNC装置で行い、その後、ガラスの上下表面を均一にする研磨作業、そしてガラスの強度を上げる「化学的強化」工程に進むという。

強化ガラスに変身したカバーウインドウは、ベゼル部分の黒色印刷やAF(Anti-Fingerprint)工程に回され、品質検査を経たあと出荷されるという。
 

フレキシブルディスプレイの登場で再びプラスチックが注目

曲げることができるフレキシブルディスプレイパネルの登場により、フォルダブルフォンなどフレキシブル製品の実現が可能になったが、カバーウインドウもフレキシブルな特性を持たなければならなくなった。しかし、ガラスウインドウはフレキシブルな実装が難しいとうという課題があったそのため、プラスチックが再びウィンドウの素材として脚光を浴びることになる。

そこで注目されたのが、透明ポリイミド(Colorless Polyimide、CPI)だ。フレキシブルディスプレイパネルの基板として使用される柔軟なPI素材に透明感を加えて硬さと耐久性を高め、ガラスウインドウの代わりに使用する方式で、PI固有の色である黄色を除去し、透明感を実装した素材だった。

昨年発売されたサムスンの初のフォルダブルフォン「Galaxy Fold」にはCPIがカバーウインドウの素材として用いられた。韓国メディアによると、コーロンインダストリーなどが供給している。ただ、CPIを使ったフォルダブルフォンは、折れる部位にシワが残るという課題があり、技術的にまだ完全ではないという評価を受けてきた。
 

■そしてガラスも再び

そこで再び現れたのはガラス素材だ。今年2月に発売されたフォルダブルフォン「Galaxy Z Flip」にはUTG(Ultra Thin Glass)が使用された。UTGはディスプレイカバーウィンドウに使用される超薄型強化ガラス素材部品を指す。 UTGは、厚さが約100㎛(マイクロメートル)未満と非常に薄く、柔軟で、折りたたむことができる。同時に、傷に強いというガラス素材の特性も有しており、フォルダブルディスプレイ用ウィンドウとして使用性とデザインレベルの両方を向上させることができるという利点がある。
 

 
韓国メディアによると、同UTGのマザーガラスはドイツのショット社が供給。それをドウインシスという韓国企業(※サムスンディスプレイが筆頭株主)が加工し、サムスンディスプレイが仕上げる。
 
(参考記事:「サムスン、UTG供給会社と関係強化。新契約とロイヤリティ」)
(参考記事:「ZフリップにUTG供給の韓国企業、社員10人の零細企業から躍進」)
 
サムスンディスプレイによると、「Galaxy Z Flip」に使用されたサムスンのディスプレイUTGの厚さは約30㎛で、従来の一般的な(Rigid)OLEDガラスウンドウの厚さである0.5㎜(500㎛)レベルよりもはるかに薄く、折り畳み部位に発生する応力を小さくし柔軟に折りたたみことが可能となったという。紙の厚さが薄いほど閉じやすい原理と同じだ。

UTGは、今後の様々なフォルダブルデバイスに適用される見込みだ。また、「SAMSUNG UTG」として既に商用化も発表されており、他のスマートフォンメーカーへの販売が見込まれている。

メディアなどによると、UTGとCPIは今後共存するという見方が有力のようだ。

 
(参考記事:「サムスン、超薄型強化ガラス「SAMSUNG UTG」を商用化発表」)
(参考記事:「zフリップ発売でUTGとCPIの素材対決?」)
(参考記事:「「Galaxy Fold2」など、UTGの供給不足で発売遅延も…調査会社CEOが明かす」)
 
 

執筆:イ・ダリョン=編集長

 
 


 
 
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