DGISTの研究チーム、世界初「色素増感ベータボルタ電池」を開発

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DGISTの研究チーム、世界初「色素増感ベータボルタ電池」を開発

韓国DGIST(大邱慶北科学技術院)は7月15日、エネルギー工学専攻のイン・スイル教授の研究チームが充電なしで半永久的に使用可能な「色素増感ベータボルタ電池(Dye-Sensitized Betavoltaic Cell)」の開発に世界で初めて成功したことを明らかにした。低価格の色素を使用することで量産が容易であり、高い安定性を持つため、宇宙、深海などの極限的な環境や医療分野などで次世代電源として活用されることが期待されている。

近年、電気自動車、IoT(モノのインターネット)などの技術需要が急増することで、様々な用途のバッテリーの需要も高まっている。特に、既存のバッテリーの短い寿命の解決策として、ベータボルタ電池の研究が世界的に活発に行われている。

ベータボルタ電池は、放射性同位元素を原料とする次世代電池である。ベータボルタ電池は、放射性同位元素から放出されたベータ電子が放射線吸収体の性質を持つ半導体に衝突することで電力を生産する。ベータ線は人体への影響が比較的少なく、透過力が弱いため、高い安全性を持つ。また、外部動力なしで電力の生産が可能であるため、充電を必要としない上に、放射性同位元素の半減期と比例する寿命を持つため、交換周期が長い。このような長所から、アメリカやロシアなどの国家を中心に活発な研究が行われている。しかし、素材が高価であり、製作工程が複雑であるため、量産化は難航していた。

DGISTのイン・スイル教授の研究チームは、既存のベータボルタ電池で放射線吸収体として使用されていた高価な半導体物質を、色素増感太陽電池などで使用されるルテニウム色素、「N719」に置き換えた。また、ベータ線を放出する放射性同位元素、「炭素14(Carbon-14)」を適用することで既存のベータボルタ電池の複雑な構造を単純化した。さらに、炭素14をナノ粒子にし、エネルギー密度を高めた。

研究チームは色素増感ベータボルタ電池の性能実験を通じて、炭素14から放出されたベータ電子に対して32000倍の電子が生成され、10時間の間安定的に電力が生産されたことを観察した。ベータボルタ電池に使用された炭素14の半減期は約5730年であり、商用化に成功すると、半永久的寿命を持つ電池になると予想される。

DGISTのイン・スイル教授は、「今回の研究は既存方式とは違って、低価格の色素を適用し、新しいベータボルタ電池の開発に成功したことに意義がある」と言い、「まだ解決できていない問題が多いが、安全かつ低価格な色素増感ベータボルタ電池の開発に励む」と明らかにした。

この研究は韓国研究財団の放射線技術開発事業の支援で行われ、7月4日に出版された化学分野の著名なジャーナル「Chemical Communications」の52号の表紙論文に選定された(DOI: 10.1039/D0CC02046J)。
 
(画像:ベータボルタ電池の駆動機構を表現した模式図=DIGIST提供)
 


 
 
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