[特集]サムスン電子の今後の見通しを読む(カンファレンスコールから)

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[特集]サムスン電子の今後の見通しを読む(カンファレンスコールから)

サムスン電子は先月30日、今年第二四半期の実績を発表した。実績発表後に行われたカンファレンスコールでの事業別説明や質疑応答について以下にまとめた。(一部意訳、集約などあり)

(参考記事:「サムスン電子が第二四半期実績を発表…営業利益が前年比23.5%増」)
 

■事業別の説明

メモリ事業は、データセンターやPC需要堅調縦実績が改善したという。ただし、NAND型はモバイル需要の減少などにより市場予想を下回った。システムLSIは、モバイル向けの需要鈍化により実績が減少したが、ファウンドリは顧客の需要の一部回復などで実績が改善したと説明された。

ディスプレイ事業の場合、中小型パネルについては、スマートフォンの需要は減少したが単発の収益発生(※アップルの補償金)により、前四半期比で利益が増加したと説明された。大型パネルは、TVの需要減少にもかかわらず、モニター販売拡大により赤字幅が小幅縮小したと明らかにされた。

無線(IM)事業は、はコロナによる需要減少で、スマートフォンの販売台数と売上高が前四半期比で下落したが、マーケティング費の削減などのコスト効率化により堅調な収益性を維持することができたと説明された。

CE(家電)事業は、エアコン、ドライヤーの販売拡大とQLEDなどプレミアムTV拡販を通じた製品ミックスの改善、運営(オペレーション)効率化などにより、前四半期比の利益が改善したと発表された。

ハーマンは、コンシューマー製品の一部の需要回復にもかかわらず、世界の自動車業界状況のなかで、営業赤字が続いたと明らかにされた。

第2四半期の設備投資は9.8兆ウォン(約8700億円)であり、半導体が8.6兆ウォン(約7600億円)、ディスプレイが0.8兆ウォン(約710億円)であると説明された。上半期累計では、施設投資が17.1兆ウォン(約1.5兆円)執行されたという。内訳は、半導体14.7兆ウォン(約1.3兆円)、ディスプレイが1.6兆ウォン(約1420億円)であると明らかにされたメモリは今後の需要増に対応するための工程の切り替えや増設用設備を中心投資が執行されたとし、ファウンドリは先端プロセスの需要に対応するため5ナノ、8ナノ増設を中心に投資が行われたと説明された。
 

■質疑応答

質疑応答では、メモリ事業についての質問が比較的多かった。

まず、メモリ市場の現在の状況や第3四半期の見通しについての質問があった。これに対し、サムスン側は、部門ごとのメモリ需要動向について答えた。

モバイル向けは需要減が続いたが「中低価格モデルを中心に需要が一部回復した」と説明。サーバー向けも「在宅勤務やオンライン活動の増加によってサーバー部門の需要が第1四半期に続き第2四半期でも増加した」と回答した。PC向けも「ノートパソコンを中心に堅調な需要を見せた」と付け加えた。
同社は、「下半期には、全体的なモバイル需要の回復により、グラフィックDRAMの需要が成長する」との予想を示した。グラフィックDRAMに関しては、新規ゲームコンソール(XBOX, PS5)のリリースに伴う需要にも期待した。サーバー需要も継続して増えるとの期待も示した。モバイルは中低価格のセットを中心に回復を期待した。
 

次に、DRAMの在庫状況についての質問があった。これに対し、サムスン側は、「DRAMとNANDの両方において適正在庫水準を維持している」と答えた。ただし、最近、顧客の緊急注文の対応力を高めるために、「通常の範囲内で在庫を小幅増加した部分はある」と付け加えた。モバイル用に関しては「第2四半期に顧客の在庫がやや増加した」が、「憂慮すべきレベルではない」との見方を示した。下半期には中低価格向けを中心に需要が回復するため、在庫水準も減少するとの予想を示した。
 

質疑では、「V NAND型の歩留まりが良くないという噂があるかどうか?」という質問もあった。それに対しサムスン側は、「シングルスタックベースの6世代V NAND型の歩留まり向上は非常に順調に進んでいる」とし、「下半期からランプアップが可視化される予定」であると明快に回答した。
 

次に、DRAMの技術工程について改善の有無などについての質問があった。これに対し、サムスン側は、「第2四半期末のウェーハ投入基準1Xナノメートル以下の工程の割合が70%半ばであった」とし、「この割合は年末には80%にまで高まる」との予想を示した。
 

次に、メモリ相場が不透明であることから、下半期にメモリ生産計画が変化する可能性があるかとの質問があった。これに対しサムスン側は、「持続的な成長のための最適の投資を行っている」と強調し、「新型コロナウイルスや地政学リスクの拡大など様々な環境の変化に対して、さまざまなシナリオを分析」していると答えた。
その上で、「最近執行された西安(中国)と平沢への投資は当初計画に沿って、量産に寄与する」と答えた。その他の部分について「最大限柔軟に投資するという基調を維持している」との表現に留めた。
 

最近、国際半導体標準協議機構で発表されたDDR5について尋ねる質問者もいた。これについてサムスン側は、「DDR5は伝統PC、サーバー、急増するクラウドデータセンターソリューションで人工知能の時代に適した性能と容量をサポートする次世代の製品である」と述べた。
その上で、「DDR5をサポートするCPUが2022年までに発売される」とし、「超高速、超低遅延の特性を必要とする5GネットワークでDDR5搭載を検討中」であると答えた。
また、「次世代技術を実装するための核心部品で領域が拡大する」とし、「これに合わせて主要メーカーとのコラボレーションを進めている」と明らかにした。 「2021年下半期から出荷して2023年下半期や2024年上半期にクロスオーバーが行われる」と説明された。
 

メモリ事業以外では、微細工程やディスプレイ、スマートフォン事業についての質問があった。

微細工程については、現在の微細レベルについて正確な状況を知りたいとの質問があった。これに対してサムスン側は、「5ナノ工程は、第2四半期にすでに量産に着手しており、下半期の顧客を拡大して本格的に量産する予定である」とし、「収率は、従来の計画通りの改善を進めている」と答えた。また、4ナノ第1世代プロセスの開発と量産準備が進行中であり、同時に4ナノ第2世代プロセスが開発中であると明らかにされた。
 

ディスプレイについては、フォルダブルディスプレイ市場拡大に伴う今後の投資計画についてどう考えるかという質問があった。これに対しサムスン側は、「UTG、プラスチック(PI)ベースカバーウィンドウ技術に基づいて、様々なフォームファクタフォルダブル製品を準備中」であるとし、「フォルダブルディスプレイの普及を早めるために、様々なセットパートナー、顧客と協力しており、需要に対応する方針である」と説明した。同時に、「市場の需要と技術の完成度に合わせて必要に応じて投資を検討する計画だが、現在、具体的に定められた部分はない」とも付け加えた。
 

スマートフォンについては、まず、下半期のスマートフォン市場の見通しについての質問があった。これに対しサムスン側は、「6月を基点に、市場の需要が徐々に回復傾向を見せており、特に5Gとフォルダブルという新しい技術は、端末買い替え需要を促進し、市場の回復をリードする」との予想を示した。
 

次に、中低価格モデルの販売戦略についての質問があった。これに対しサムスン側は、「Galaxy」の AシリーズとMシリーズによって、「エントリーからハイエンドまでの全価格帯別に差別化されラインナップを運営しており、大画面と高画質セルピ・大容量バッテリーなど、実用的でありながらも重要な製品の競争力を持続強化している」と答えた。
その上で、「今年は5Gの導入を中低価モデルに拡大して顧客と取引先から良い反応を得ている」とし、「これにより、第2四半期にコロナの悪化にもかかわらず、中・低価格モデルは、前四半期レベルの販売トレンドを維持することができた」と説明した。

※その他、通信事業や家電事業などの質問があった。
 
 
 
執筆:イ・ダリョン=編集長
 
 


 
 
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