韓国の専門メディア・「電子新聞」(etnews)は11日、「アップルウォッチOLED、韓・日受注戦に火が点いた」という題の記事を掲載。韓国と日本を代表するディスプレイパネルメーカーであるLGディスプレイ(LGD)とジャパンディスプレイ(JDI)が、Appleの「アップルウォッチ」へのOLEDパネル供給をめぐって、競合する状況について報じた。
(参考記事:「1位アップル、2位シャオミ、3位サムスン。ウェアラブル機器世界市場」)
(参考記事:「[特集]LGDの今後の見通しを読む(カンファレンスコールから)」)
同紙は、JDIが「第18期報告書」(2019年4月1日〜2020年3月31日事業報告書)において、OLEDの生産性向上や茂原工場第6世代蒸着方式OLEDラインの改良について触れつつ、同工場がアップルウォッチ用OLEDパネルを生産すると指摘。生産量は、現在の第6世代(1500×1850㎜)基準で月2000〜3000枚水準であるとし、アップルの注文に対応するため、生産能力を大幅に拡大する公算が大きいと分析した。
JDIは昨年、アップルウォッチのOLEDパネルのサプライヤーに選ばれた。当初はLGディスプレイが単独供給していたが、JDIと競合関係になった。
電子新聞は、「LGディスプレイもスマートウォッチ用OLEDパネル生産性の強化に乗り出した」とし、「今月から坡州(パジュ)に4.5世代(730×920㎜)E2中小型フレキシブルOLED物量を亀尾(クミ)6世代E5ファブに移管する」とした上で、「工程に投入されるマザーガラスのサイズが大きくなるため、その分、生産量が多くなるのはもちろん、コストの削減、生産速度の短縮などの効果も期待できる」と分析した。
同紙によると、「E5は今後、アップルのスマートウォッチ新モデルのOLEDパネルを生産する予定であるとされ、JDIと同じ6世代マザーガラスを使用することになる」とし、生産性と価格競争力が向上するとの見方を示した。
市場調査会社オムディアによると、LGディスプレイの第1四半期あたりスマートウォッチOLEDパネル部門の市場シェアは35.8%となっている。昨年0.1%に過ぎなかったJDIの市場シェアは、Apple効果により5.1%まで増加した。