サムスンが支援の研究チーム、DNAコンピューティング人工ニューラルネットワーク具現

研究開発

サムスンが支援の研究チーム、DNAコンピューティング人工ニューラルネットワーク具現

サムスン電子は27日、サムスン未来技術育成作業により支援されたソウル大学化学部ナム・ジャミン教授の研究チームが、DNAコンピューティングアーキテクチャを利用したナノ粒子人工ニューラルネットワークを世界に先駆けて実現したと発表した。

今回の研究結果は、26日(米国現地時間)、世界的な学術誌「サイエンスアドバンスズ(Science Advances)」のオンライン版に公開された。
 

2015年12月にサムスンの未来技術育成事業課題として選定され、支援を受けた今回の研究は、「NT(ナノテクノロジー)-BT(バイオテクノロジー)-IT(情報通信技術)の融合の優れた事例だ」であるとサムスン電子は強調した。

■ナノ粒子ベースのプラットフォームに拡張性の大きいDNAコンピューティングアーキテクチャを実装

DNAコンピューティング[1]は、高速と小型サイズ、人の体の中でも動作することができるという点などで期待を集めている。しかし、一般的なコンピュータのようなコンポーネントがモジュール化されておらず、安定したアーキテクチャを構成することが困難な応用が遅れている状況だった。

ナム・ジャミン教授の研究チームは、ナノ粒子[2]に基づく人工細胞膜プラットフォームを活用して、この問題の解決策を提示した。

人工細胞膜の破片の上に配列されたDNA粒子・ナノ粒子・DNA分子が含まれている溶液を使用して演算を実行するため、溶液中のDNAを調整し、目的の結果を安定的に得ることができるという。 DNA粒子とナノ粒子が、ハードウェアの役割を、溶液中のDNAがソフトウェアの役割を実行するように構成を分離することにより、一般的なコンピュータの構造を実装したものである。これを活用すればDNAコンピューティングを、様々なIT技術の信頼性の高い融合することができる道が開かれると説明された。

■人工ニューラルネットワークの実装、スマートバイオメディカル応用技術の開発に拍車

今回の研究では、人工知能の中核技術の一つである人工神経回路網[3]を、ナノ粒子技術を介して最初に実装したという点でも大きな意味を持つという。

現在、ナム・ジャミン教授の研究チームは、人工知能を持つ△病気を診断するためのバイオセンサー△新薬スクリーニングチップ△DNAナノロボットなど応用技術の開発を進めている。

ナム・ジャミン教授は、「今回の研究を通じて、DNAコンピューティングアーキテクチャに基づいたナノ粒子を本格的に活用することができ、ナノ粒子の様々な機能をディープラーニング(deep-learning)などに提供し、バイオセンサーや人工知能を持った分子・ナノロボットの応用ことができる道が開かれた」と述べた。

一方、サムスン未来技術育成事業は、今回のナム・ジャミン教授の研究をはじめ、韓国の未来を担う科学技術の育成を目指し、2013年から1兆5千億ウォン(約1340億円=現在れーと)を投じて研究支援事業を行っている。これまで603件の課題に対し7,729億ウォンを執行し、国際学術誌に合計1,246件の論文が掲載されるなど、活発な成果を見せている。

[1] DNAコンピューティングは、自然(Natural)コンピューティングの一つであり、DNAを構成する4つの塩基(アデニン、グアニン、チミン、シトシン)を組み合わせて高速で計算が可能である。

[2]ナノ粒子(nanoparticle)は、少なくとも一次元が100nm、すなわち万分の1メートル以下の粒子をいう。

[3]人間や動物の脳の神経回路網に着目して、同じ方法で問題を解決するため実装されたコンピューティングシステム

(写真:研究チームメンバー/中央がナム・ジャミン教授=サムスン電子提供)

 
(参考記事:「サムスン未来育成事業、半導体や量子コンピューティングに支援」)
 


 
 
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