[特集]その名も「コリアンパラドックス」…研究費は世界有数だが特許件数が低い韓国

研究開発 通商・特許

[特集]その名も「コリアンパラドックス」…研究費は世界有数だが特許件数が低い韓国

韓国は人口一人あたりの研究開発(R&D)費用で世界1位であり、GDP比でも世界2位であるが、それに伴う世界での特許件数が他国に比べ相対的に低いことが分かった。韓国メディアをして「コリアンパラドックス」と呼ぶ現象だ。
 
人口一人あたり世界1位、GDP比世界2位も、特許件数は相対的に低い

韓国政府が先月28日に発表した「財政の動向及びイシュー」によると、2018年基準で、韓国の対GDP比の研究開発費の割合は前年比0.24%ポイント増となる4.53%と集計されたことが分かった。これは、経済協力開発機構(OECD)による集計を引用したものである。

OECDは加盟国および主要非加盟国の科学技術分野における主要な指標を「Main Science&Technology Indicators」(以下「MSTI」)として、毎年2回発表している。MSTIは、研究開発費、研究開発人材などの研究開発に関連する指標と特許、技術貿易収支、その他の経済社会指標などの時系列情報を提供している。
 

(表:韓国の国会予算政策処が掲載した表を基に本紙作成)

 
MSTIで集計された4.53%という韓国の数値は、OECD加盟国および主要非加盟国のうち2番目に高い数値だった。1位はイスラエルの4.94%、3位は台湾の3.46%だった。韓国の研究開発費は984億5100万ドルで加盟国中5番目に多かった。1位は米国の5兆8155億ドルだった。

同じ期間、韓国の人口1人当たりの研究開発費は1908ドルで、主要国の中で最も多かった。研究基準の1人当たりの研究開発費は24万1084ドルである。これはドイツ(32万5812ドル)、台湾(28万1450ドル)、日本(25万2596ドル)、中国(25万823ドル)、イタリア(24万1884)などより低い。

韓国の研究開発費のうち、政府・公共財源の割合は20.5%となった。これは国別研究開発費の規模上位10カ国のうち、イタリア(32.7%)、ドイツ(27.8%)、イギリス(25.9%)、アメリカ(23.0%)などには及ばない水準だった。それでも、中国(20.2%)、台湾(18.8%)、日本(14.6%)より高かった。

次に、米国、ヨーロッパ、日本に同時登録された特許を意味する「三国特許」は、2018年基準で2160件、OECD加盟国の主要な非加盟国の中で5位となった。 1位は日本(1万8645件)であり、米国(1万2753件)、中国(5323件)、ドイツ(4772件)の順に多かった。政府のR&D課題の場合、「三国特許」の割合が10.6%となり、主要国に比べて相対的に低かった。日本は35.7%で最も高く、ドイツと米国もそれぞれ32.0%、20.2%と集計された。中国は15.6%である。

米国、日本、ドイツ、中国など主要4カ国と特許成果を比較すると、米国特許庁(USPTO)に登録された特許の平均被引用数では米国が、「三国特許」の割合では日本が、優秀特許比率はドイツが最も高いレベルであることが分かった。

一方で、政府が実施・支援した(公共財源を用いた)R&D成果について見ると、韓国政府が実施・支援したR&Dは、特許被引用指標において、米国、日本、ドイツよりも低く、中国のより高いレベルであった。また、同R&Dの三極特許比率は、優秀特許比率の指標上で中国よりも低いレベルであった。
 

政府によるR&Dには課題も

政府によるR&D支援は、民間企業による技術開発などにおいてリスクを負担する役割も果たすが、成果が高くないことについて、韓国のハンギョレ新聞(12日)は、「量的投入は高いが、質的な成果は不十分なため、いわゆる《コリアR&Dパラドックス》という言葉が出てくる所以だ」と評価した。

国家によるR&D支援については、不正利用の存在も指摘されている。7日、韓国与党のチョ・ジョンシク議員が入手した政府資料によると、研究費の不当執行制裁件数は5年間で2534件に上ったとされる。「国家R&D事業制裁措置ガイドライン」に沿って、このうち1527件は、今後、他の事業への参加を制限する「参加制限」措置を受けた。712件は総745億ウォン規模の事業費の返還、残りの295件は93億ウォンの制裁付加金賦課措置が下されたという。チョ議員は、徹底した管理の必要性について強調した。

一方で、管理を強めることに批判的な意見もある。韓国産業技術評価管理院のチャン・ヤンホ院長は、先月23日に毎日経済新聞に寄稿した文章において、「ごく一部の研究者の研究費流用と正直でない研究遂行を管理するために国のR&Dのオペレーティングシステムは、ますます複雑で厳格に変化してきた」とし、「これにより、研究開発の自律性が縮小され、保守的で硬直した研究文化が現れた」と指摘。続けて「非効率的な管理手順は、行政の負担を加重させた」とし、「結果的に創造性と革新性が発揮されにくい環境が作られた」と批判している。
 
 
(参考記事:「サムスンの上半期R&D投資が歴代最高…売上の約1割を支出」)
(参考記事:「日本から韓国企業への特許訴訟が増加傾向…二次電池関連に集中」)
(参考記事:「米国内の累積特許数でサムスン電子が1位に。2位IBM、3位キャノン」)
 
 
 


 
 
あなたの感想をSNSでシェアする


この記事について、あなたの感想は?
  • 強い関心がある
  • 関心がある
  • どちらでもない
  • 関心がない
  • 全く関心がない