韓国KAIST「AIを利用して素材を探索する方法を開発」…素材の逆設計に適用

研究開発

韓国KAIST「AIを利用して素材を探索する方法を開発」…素材の逆設計に適用

韓国の研究チームが、AIを利用して素材を探索する方法を開発した。

韓国科学技術院(KAIST)生命化学工学科のジョン・ユソン教授の研究チームが人工知能(AI)技術を利用して隠れた素材空間を探索し、新しい物質を予測する技術の開発に成功したことが27日、明らかになった。

素材研究の究極的な目標は物性(電気的、磁気的、光学的、力学的などの、物質の物理的性質)を示す素材を発見することである。しかし、無機化合物の調性と結晶構造の数は非常に多く、合成できる素材の数は無限に多い。そのため、全ての組み合わせを調べることは困難である。そのため、素材研究分野では素材探索方法としてバーチャルスクリーニングが広く使われているが、この方法では、探索できる素材がスクリーニングの候補群に限定されてしまう。

ジョン教授の研究チームが開発した「素材逆設計(特定の物性を持つ素材の構造を逆探索すること)」方法では、コンピュータがデータ学習を通じて与えられた調性を持つ結晶構造を新しく生成することで、データベースに存在しない新物資も発見できる。特に、ジョン教授の研究チームの逆設計方法は、調性の制御が不可能であった既存の方法とは違い、調性の制御が可能であるため、調性を制御することで、隠れた化学空間を効率的に探索し、物質を設計できる。

ジョン教授の研究チームの今回の研究成果である結晶構造予測技術は、人工知能モデルの一つである「敵対的生成ネットワーク(GAN、Generative Adversarial Network)」を基盤に開発された。また、既存の3次元イメージの物質構造記述子の難解さを軽減するために、原子の3次元座標を基盤とした、比較的簡単な物質構造記述子を用いた。

ジョン教授の研究チームは今回の研究で開発された素材逆設計方法を活用し、光を利用した水素生産触媒として活用できる、マグネシウム-マンガン-酸化物基盤の光触媒物質の結晶構造を予測することに成功した。既存のデータベースに存在しない調性を条件にして多様なマグネシウム-マンガン-酸化物構造を生成した結果、光触媒としての活用可能性があり、既存まで知られていなかった新物質を多数発見した。

ジョン教授は「光触媒物質の設計に適用した今回の素材設計フレームワークは、化合物の調性のみならず、使用者が求める特定の物性を示す素材の逆設計に適用できる」と述べ、「様々な素材応用分野で活用できると期待している」と述べた。

KAIST生命化学工学科のキム・ソンウォン博士課程学生とノ・ジュハン博士課程学生が共同第一著者で、トロント大学のAspuru Guzik教授が共同研究で参加したこの研究は、アメリカ化学会(ACS)が発行する国際ジャーナル、ACS Central Scienceの8月号に掲載された。(論文題目: Generative Adversarial Networks for Crystal Structure Prediction)また、この研究は科学情報通信部の韓国研究財団の基礎研究事業(中堅研究)の支援で遂行された。
 
(参考記事:「KAIST、圧力と引張を区分できる無線通信素子を開発」)
(参考記事:「KAIST「高接着ファブリック基盤ウェアラブルエネルギーハーベスティング技術開発」」)
(参考記事:「KAIST「酸化チタン新素材、板状MXeneの合成に成功」」)
 
(画像:KAISTで開発された組成-条件ベースの固体結晶構造の生成モデル=KAIST提供)


 
 
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